レゴブロック^®のように手元で自在に組み替えられるシステムが求められる理由

sonar ATSの中核をなす機能に「フロー」があります。その特徴はレゴブロック^®のような柔軟性。採用プロセスを顧客自らが自在に組み替えて、簡単に自動化を実現できます。プロダクトマネージャーの仙頭は「すぐに劣化するカスタマイズではなく、手元で自在に組み換えできる柔軟性が求められる」とその重要性を強調します。なぜ採用管理システム（ATS）にそのような柔軟性が求められるのか。今回は長年プロダクトマネージャーとしてお客様と相対してきた仙頭と執行役員の佐藤が、sonar ATSの持つ柔軟性について語ります。

ーsonar ATSは柔軟性が高いと聞きますが、どういった点で柔軟性が高いのでしょうか。

仙頭それはsonar ATSの「フロー」という機能によるものだと思います。お客様ごと、また職種ごとに異なる採用プロセスが求められるなか、sonar ATSでは思い通りのプロセスをノーコードで直感的に組み込むことが可能です。

例えば、新卒採用のプロセスを考えたときに、候補者がエントリーしてから採用に至るプロセスをフローを用いて表現できます。「エントリーしたら次に何をする」という1つひとつの動きを、ブロックのように組み合わせることで、採用プロセス全体を表現するのです。またステップごとに、条件に応じた複数のアクションを分岐させることが可能です。例えば、「職種希望者ごとに専用のESを送る、かつ技術系はESに加えて研究概要を入力してもらう」というようなアクションを組み込むことができます。

また一度フローを組んでしまえば候補者が何万人来ようと、その処理はシステムが自動的に行います。さらに一度組んだフローの組み換えも、ドラッグ＆ドロップするだけで瞬時に可能です。sonar ATSの開発過程での試行錯誤で、採用の場面で思いつきそうなアイデアは、基本的に組み込める仕様になっています。プロセスを自在に組み上げ、自動化し、組み替えられる。この自由さがsonar ATSの柔軟性そのものなのです。

佐藤sonar ATSの柔軟性を例えるとしたら、それは「レゴブロック^®」と言えるでしょう。例えば、ねんども同じように自由自在に形を作ることができますが、触るとぐちゃぐちゃになって、元の形に戻すことはできません。一方レゴブロック^®は、決まったパーツを組み合わせることで、さまざまな形を作り出すことができます。sonar ATSはこれと同じように、想像力を働かせ自分のイメージするものを自分たちで作り上げることができるのです。

私たちはお客様にフレームを提供したいと考えています。例えばネコを作りたければ、4つ足の動物の基本的なフレームを提供するといった具合です。そこから、三毛猫とか茶ネコといったどんなネコにするかは、お客様自身がイメージに合わせて取り組んでいただけます。自由度を担保しつつ採用成功に導いていく。そのための基礎となるフレームを私たちは提供できるようになりたいのです。

さまざまな顧客の課題や要望をマイクロサービスとして小さく実装して提供するというのが、sonar ATSのアーキテクトの基本的なイメージです。いろいろなものをブロックのように組み合わせて、他のプラットフォームともシームレスに連携できることは、柔軟性を生み出す1つの要素だと思います。

ーフローはユニークで有用な機能ですが、どういった背景から生まれたのでしょうか。

仙頭代表の瀧澤は採用業界に長くおり、sonar ATSより以前にも受託でATSの開発に携わってきました。私もその下でATSを使ったコンサルティングに取り組んできました。そのなかでお客様の採用を成功に導くためには、どういうプロセスで採用に取り組むべきか、お客様と議論を重ねていきます。ですが、その結果プロセスが決まっても、システムの仕様でそれを実装できないケースが多々あったのです。それは提供する側としても申し訳ないですし、お客様にもご不便をおかけしてしまいました。そういった経験を通じ、さまざまな採用プロセスを自由に実装できないかと試行錯誤してできたのが、フローという機能でした。

ーsonar ATSは採用管理システムとして「柔軟性がある」ことを大切にしていると伺っていますが、その背景を教えてください。

仙頭採用にとって大切なことは候補者への個別対応です。自分たちがどの人を採用するか。それを決めるプロセスは、企業と個人のアイデンティティのマッチングです。お互いが理解し合うためには、それぞれに応じたオリジナリティのある採用プロセスが求められます。もし毎年1人しか採用しないのであればATSは必要ないでしょう。ですが次第に採用人数は増え、職種も増え、事業内容が複雑になり、環境も時々刻々と変わる。そんななかでも候補者の体験を高め、1人を採用する時と同じような丁寧さが求められます。

こうした要素が複雑に絡み合うなか、採用担当者は常に最適なプロセスへの改善が求められるわけです。それを担当者のマンパワーだけで取り組むのは不可能といえます。そこで、個別対応に近い柔軟性を備えたシステムでの自動化が求められるのです。お客様ご自身が、もしくは支援する立場にある弊社のカスタマーサクセスが、その場で課題解決を考え実現できることが、このサービスの強みだと感じます。

佐藤少子化や職種の細分化、手法の高度化、情報量の拡大などを背景に、採用競争は日に日に激化しています。自社に必要な人材を確保するためには、自社の採用状況と他社を含めた採用市場全体の動きを見比べながら、その時々で最適な施策に取り組むことが求められます。

過去には、お客様ごとに専用のシステムをフルカスタマイズで提供したこともあります。ですが、それはうまくいきませんでした。理由はお客様の求めるものが、次の瞬間から変わってしまうからです。ある年にどれほどお客様の要望を具現化したとしても、翌年にはすでに状況が変化し、システムが劣化して要件を満たさなくなるのです。同じ年の採用でも状況に応じて方針を変更することも稀では有りません。常に最新の状況に合わせてアップデートしたいですが、カスタマイズでは当然時間もかかります。そうしているうちに、その時々で都度サービスをカスタマイズするのは、ナンセンスだと気づいたのです。

仙頭sonar ATSの特徴は、もともとの仕様としてシステムに柔軟性を組み込んでいる点にあります。カスタマーサクセスやお客様ご自身が、その時々の状況に合わせて、カスタマイズなく変化に適応できます。多くのプロダクトでは、カスタマイズによりお客様のイメージする形を実現しています。しかしそこには工数や時間がかかってしまい、時々刻々と変化する採用現場において状況に十分対応できないため、それでは柔軟性があるとは言えません。変更や修正したい箇所が出てきた時に自らの手で瞬時に実装できる状態こそ、真に柔軟性があると言えるのではないでしょうか。

佐藤大手のお客様であれば多くの応募者を扱うために効率的に採用活動を行う必要があるのと同時に、クロージング間近では個別で丁寧に対応するなど、採用の開始から終了までに多様な手法に取り組んでいます。また中小のお客様であれば、人が来ないという状況の中から、どうやって人を集めて、その人たちを引きつけて丁寧に進捗させるかを活動プロセスに落とし込む必要があります。これだけでもわかるように、採用手法そのものがすでに多彩なのです。それをシステムとして実装させるには、柔軟性は最優先の条件になるのです。

我々は採用のインフラを提供したいと同時に採用のデファクトスタンダードでありたいと思っています。一つのあり方だけが体現できるようなプロダクトを提供しても仕方がないのです。採用のやり方はお客様それぞれで違います。そういうものにすべて適用できるようにしたいので、プロダクトが柔軟であることは必然といえます。それは当社の開発の難易度を上げることに跳ね返ってきてしまいますが、柔軟性に対しては他のさまざまな要素と比較しても、最優先で取り組んでいます。

ー柔軟性を高めるために、今後取り組まれることについて教えてください。

仙頭いまの機能は、お客様のやりたいことが明確な状態を前提に作られています。ですが自社はどのように採用に取り組んでいいかわからない、というお客様もいらっしゃいます。そういうお客様でもsonar ATSを使うことで、どのように取り組めばいいかわかり、次第にやりたいことが見えてきて、プロセスが改善される。お客様が使いながら楽しみを感じられ、次第に採用力が上がっていく。そういったことが実現できるプロダクトにできればと思います。

佐藤柔軟性があることは、すなわちシステムとしての難易度も上がります。やりたいことが多いほど、そのプロセスはややこしくなり運用への負荷がかかってしまいます。こうした場合でもお客様の状況に応じた最善策を提案できるような使いやすさを実現していきたいです。

例えば近い将来、フローの機能にAIを組み込む予定です。いまは人間が設計した通りに自動化される仕組みになっています。しかし採用はより複雑でスピードが要求されるようになってきています。フローを決めてその通り動かすことすら難しい状況になりつつあるのです。そうしたなかで、データに対してAIが判断し、その瞬間で最適なプロセスを提案してくれる。そういう世界にアップデートしていきたいと思います。