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コーピングで社員をストレスフリーに!主な種類と促進方法を徹底解説

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コーピングで社員をストレスフリーに!主な種類と促進方法を徹底解説

仕事をする中で感じるストレスをゼロにすることはできません。しかし、企業の取り組み次第では社員が抱えるストレスを軽減させることができます。そのとき役立つのが「コーピング」です。

そこで今回は、コーピングの概要や注目されている背景、種類についてご紹介します。また、社員によるコーピングを促進するため企業がすべきことも解説しているので、ぜひご参考にしてください。

社員のストレスを軽減!コーピングとは

コーピングとは、仕事やプライベートで感じたストレスに対処するための方法・行動のこと。「対処する」「対抗する」などの意味を持つ英単語「cope」から派生した言葉です。

「ストレス=悪いもの」というイメージが定着していますが、適度のストレス・緊張感はビジネスに不可欠といえます。なぜなら、仕事に対するモチベーションや実際のパフォーマンスを高める効果が期待できるためです。よって、コーピングを身につけストレスと上手に向き合うことは、働くすべての人に必要な能力といえるでしょう。

企業がコーピングに注力するメリット

業務に取り組む上で、まったくストレスを感じない状況を作り出すことはできません。そのため、企業は「ストレスを根本的になくすこと」ではなく「ストレスをうまく対処すること」に注力する必要があり、これこそがまさにコーピングです。
社員に向けてコーピングを促進すれば、社員の心の負担を軽減できるほか、高いモチベーションと情熱のもと仕事に取り組んでもらえる可能性が高まり、結果的に生産性や業績の向上につながります。

その必要性とは?コーピングが注目されている背景

コーピングが注目されている背景には、以下の2つの事柄が関係しています。

1.ストレスを抱える社員の増加

仕事そのものや職業生活においてストレスを感じている労働者は、決して少なくありません。現に、厚生労働省が発表した「令和2年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、全体の54.2%の労働者が「ストレスとなっている事柄がある」と回答しています。

24時間のうち多くの時間を過ごす職場でストレスを抱えて働いている状況は、健全とはいえません。また、モチベーションやパフォーマンスに影響を及ぼし、仕事の能率が低下する可能性も考えられます。こうした事態を改善するため、今多くの企業でコーピングに注目が集まっているのです。

2.ハラスメントに悩む社員の増加

また、ハラスメントに悩む社員が増えたことも、コーピングが注目されている理由のひとつです。

厚生労働省が発表した「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会 報告書」には、「職場のいじめ・嫌がらせに関する相談は増加傾向にある」との記述があります。また平成24年度以降、すべての相談の中でいじめ・嫌がらせの内容がトップとなったそうです。
この状況を受け、ハラスメント対策に取り組む企業が増加し、連鎖的にコーピングも注目されるようになったと考えられます。

さらに今の時代、多くの学生・転職希望者がSNSや口コミサイトを閲覧しています。これは言い換えれば「社内の状況や評判が企業の評判へ直接的につながりやすくなっている」ということです。この点から、先進的なイメージを社会にアピールする意味でもコーピングが注目されています。

押さえておこう!コーピングの6つの種類

コーピングと一言でいっても、その種類はさまざまです。以下で、種類ごとに特徴を解説します。

1.問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングとは、ストレスの原因(以下 ストレッサー)を解消することで、ストレスそのものを対処することです。たとえば、「職場の人間関係がうまくいかない」というストレスを感じているとします。この場合、職場を変える(=転職する)ことでストレッサーを解消できます。このように問題の根本を解消することで、ストレスフリーを目指すのが大きな特徴です。

2.社会的支援探索型コーピング

社会的支援探索型コーピングとは、ストレッサーを解消するため周囲の人に助言や協力を求めることです。たとえば、「残業が多い」というストレスを感じているとします。この場合、上司に訴えかけて業務を振り分けてもらうことで(=協力)ストレッサーを解消することが可能です。
なお、協力を求めた相手次第では状況や気持ちを汲み取ってもらえるため、精神的なストレスを軽減しやすいという特徴もあります。

3.情動焦点型コーピング

情動焦点型コーピングとは、ストレッサーに対する自分の考え方をコントロールして、ストレスそのものを対処することです。具体的には、たとえば重大な仕事を任されたとき「絶対に失敗できない」と考えるのではなく、「期待されている」と考え方を修正することでストレスを緩和させます。
なお、情動焦点型コーピングはミスや失敗を過剰に捉える方、そして自分では解消できないストレスを抱えている方にとくにおすすめです。

4.認知的再評価型コーピング

認知的再評価型コーピングとは、誰かに話を聞いてもらうことでストレスを解消することです。話すことでストレスに対する新たな見解や気付きを得られ、ポジティブな考え方へと修正できます。
なお、話す相手は専門家やカウンセラーでもよいですし、家族や友人でも問題ありません。「話しやすい」「話を聞いてほしい」という相手を選びましょう。

5.気晴らし型コーピング

気晴らし型コーピングとはその名のとおり、気晴らしをすることでストレスの緩和を図ることです。具体的には、買い物へ行ったり美味しいものを食べたり映画を観たりして、ストレスから離れることを指します。とくに珍しいコーピングではないので、誰もが実践しやすい種類といえます。

6.リラクゼーション型コーピング

リラクゼーション型コーピングとは、心身をリラックスさせることでストレスの原因を解消することです。具体的には、ヨガやマッサージ、アロマテラピー、瞑想などに取り組むことを指します。ストレスによって感情が高ぶったときに、リラクゼーションを通して身体の緊張を解すことで、穏やかな感情に落ち着かせることができます。

社員によるコーピングを促進!企業がやるべきこと

では、社員によるコーピングを促進するために、企業は何をすればよいのでしょうか。

メンター制度を導入する

メンター制度とは、社員ひとりに対して特定の相談者(主に先輩社員)を設定する制度のことです。これを導入すれば、社員がストレスを抱えたとき、誰かに相談しやすい環境を整えることができます。ひいては、社会的支援探索型コーピングや認知的再評価型コーピングが自然に行われ、社員がストレスをうまく対処できるようになります。

こまめに1on1を行う

1on1とは、上司と部下による1対1のコミュニケーションによって、部下の成長を促す取り組みのこと。業務や勤務態度の評価は一切行わず、「上司が部下の話に耳を傾けること」に重きを置くのが最大の特徴です。これにより、部下は自らの感情や問題を整理することができ、結果としてストレスの軽減につながります。

オフィスに工夫を施す

オフィスにさまざまな工夫を施すと、上述したようなコーピングが行われやすくなります。

たとえば、社員同士が気兼ねなくコミュニケーションを取れるスペースを設けるのがおすすめです。社会的支援探索型コーピングや認知的再評価型コーピングが自然と行われるようになるでしょう。
また、休憩時間や業務終了後にゲーム・アクティビティができるようにするのも有効です。これは気晴らし型コーピングにつながるため、結果として社員が抱えるストレスの軽減を図れます。

さらに、社員の要望に応じてオフィスを整えれば、そもそもストレスを感じづらい環境を作ることが可能です。アンケートを実施するなどして、オフィスに対する要望をヒアリングしましょう。

まとめ

ストレス社会の今、コーピングは働くすべての人が備えておくべき能力といえます。しかし、社員自らコーピングを実践するのはそう簡単ではないため、まずは企業が積極的に導入する必要があります。その上でコーピングを促進できれば、社員がストレスフリーな状態になりやすくなるほか、高いモチベーションと情熱のもと仕事に取り組んでもらえる可能性が高まり、結果として生産性や業績の向上につながります。

「社員が抱えるストレスを軽減させたい」という企業は、今回ご紹介した種類・促進方法を参考にコーピングに注力してみましょう。

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この記事の著者
sonar ATS編集部
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2,300社以上にご導入された採用管理システム sonar ATSを展開。このお役立ち記事では、採用セミナーレポートやお役立ちコンテンツをはじめ、企業の採用担当者の皆さまに採用に役立つ有益な情報をお届けしています。

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