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こんにちは。採用管理システムsonar ATSを提供するsonar ATS編集部です。この記事は、「カルチャーフィットの意味が気になる」「カルチャーフィットの見極め方を知りたい」とお考えの採用ご担当者様におすすめの内容です。
カルチャーフィットとは、「企業文化(カルチャー)への適応(フィット)」を意味する用語です。近年、早期離職の増加や売り手市場の拡大により、カルチャーフィットを重視する傾向が高まりつつあります。
本記事では、カルチャーフィットの意味や採用での見極め方、実際に面接で使える質問例を紹介します。

目次

カルチャーフィットとは、候補者の価値観や行動特性が、企業の文化や風土にどれだけ合っているかを示す考え方です。「Culture(文化)」と、「Fit(適応)」という英単語に由来しています。
仕事の能力だけでなく、「この人は自社の風土の中で気持ちよく働けるか?」「周囲と協力しながら成果を出せそうか?」といった行動や姿勢の相性が見極めポイントです。カルチャーフィットの評価軸は以下の通りです。
近年では、早期離職の防止やチームの生産性向上を目的に、カルチャーフィットを重視する企業が増えています。
スキルフィットとは、候補者が持っているスキルや経験が、採用ポジションの業務内容にどれだけマッチしているかを示す概念です。
たとえば、求められるプログラミング言語の習得状況や、営業経験の年数、マネジメントスキルなど、「業務を遂行する能力があるかどうか」が評価軸になります。具体的な評価軸は以下の通りです。
カルチャーフィットは「この組織で長く活躍してくれるか」「チームに良い影響を与えるか」といった中長期的な活躍・定着の可能性を見る指標です。
一方、スキルフィットは「今すぐに活躍できるか」を測る指標として機能します。即戦力採用や専門職の採用では欠かせない観点です。採用の場面では、どちらか一方に偏るのではなく、ポジションや組織の状況に応じてバランスを保つことが重要です。
成長ポテンシャルを重視する新卒採用ではカルチャーフィットが優先されることが多く、即戦力を求める中途採用ではスキルフィットが重視されやすい傾向があります。
参考:中途採用の面接で聞くべき質問とは?うまく使い分けてスキルフィット・カルチャーフィットを見極めよう


近年、カルチャーフィットが重視されている背景には、企業を取り巻く採用環境の変化が関係しています。ここでは、採用環境の変化について詳しく見ていきましょう。
近年、多くの企業で早期離職が問題となっています。早期離職とは、従業員が入社後すぐ(一般的には入社後3年以内)に退職してしまうケースを指します。その背景には、企業文化や職場の雰囲気とのミスマッチがあると言われています。
いくらスキルが高くても、価値観や働き方のスタイルが合わなければ早期離職につながります。そのため、採用の場面ではカルチャーとの相性を理由に不採用となる「カルチャーフィット切り」が行われるケースもあります。
早期離職を防ぐためには、スキルの見極めだけでなくカルチャーフィットの視点を持つことが欠かせません。
参考:「電話に出れない」が理由!?新卒早期離職の現実と実践すべき対策とは
労働人口の減少や人材の流動化により、採用市場においては「売り手市場」が続いています。
厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況(令和7年2月分)」によると、平成26年以降、「月間有効求人数」が「月間有効求職者数」を上回る状況が続いています。

引用:厚生労働省|一般職業紹介状況(令和7年2月分) 求人、求職及び求人倍率の推移
売り手市場では、退職者が出た場合に企業がすぐに人材を補充することが難しくなっています。
そのため、企業は、ただスキルがある人を採用するのではなく、「自社で長く活躍してくれる人」を見極めて採用する必要があります。候補者側も、仕事内容だけでなく「どんな人と働くか」「職場の雰囲気が合うか」を気にするため、カルチャーフィットを採用判断の基準とする企業が増えています。
リモートワーク、副業、フレックスタイムなど、働き方が大きく変化し、社員同士が常に顔を合わせる機会は以前よりも少なくなりました。こうした環境下では、自律的に動ける人材が求められます。
そこで必要になるのが、組織の価値観を共有し、自分で判断しながら行動できる「カルチャーフィット」です。多様な働き方を尊重しながらも、共通の文化や考え方を持った人材を採用することが、チームの一体感や成果につながるとして注目されています。

続いて、カルチャーフィットを重視することで得られるメリットを見ていきましょう。ここでは、早期離職の防止や生産性の向上など、主なメリットを3つご紹介します。
カルチャーフィットを重視することで、候補者と企業の価値観や働き方の相性を事前に確認できるため、入社後のギャップが生じにくくなります。
たとえば、ある企業が「友達のような距離感」でフランクな雰囲気を大切にしている場合を考えてみましょう。一方で、候補者が適度な距離感を保った人間関係を重視するタイプだった場合、企業の雰囲気や業務の進め方に違和感を覚えやすく、結果的に早期離職につながる可能性があります。
採用時にカルチャーフィットを的確に見極めることができれば、こうした環境面でのミスマッチを未然に防ぐことができ、定着率の向上や人材育成の効率化にもつながります。
組織内に共通の価値観や行動スタイルを持つメンバーが揃っていると、無駄な衝突やすれ違いが起こりにくくなります。
たとえば、オープンな意見交換を良しとする企業カルチャーに合った人材が加われば、チーム内の対話が活発になり、より良い意思決定や協力関係の構築につながります。
その結果、組織としての一体感が高まり、チームワークやパフォーマンスの向上が期待できます。単なる「仲の良さ」ではなく、共通の目的に向かって自然に協力し合える関係性を築けることこそが、カルチャーフィットの大きなメリットです。
企業のカルチャーを明確にし、それに合った人材を採用する姿勢を発信することで、「この会社らしさ」に共感する人材を自然と惹きつけることができます。
特に近年では、SNSや採用サイトなどを通じて、働く人々の価値観や職場の雰囲気をリアルに伝える動きが活発化しています。社員インタビューや社内イベントの紹介、日常のワークスタイルを発信することで、候補者が自分との相性を判断しやすくなり、応募の質や量の向上にもつながります。
こうした情報発信を積極的に行っている企業は、採用ブランディングの面でも優位に立ちやすく、競合との差別化にも効果を発揮します。


では、採用でカルチャーフィットを見極めるためにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、採用の場面でカルチャーフィットを見極めるための準備や方法、コツを5つ紹介します。
カルチャーフィットを見極めるには、まず自社が「どのような価値観や文化を持つ組織か」を明確にしておくことが重要です。価値観が曖昧なままでは、候補者との相性を判断する基準もブレやすくなってしまいます。
「スピード感を大切にしている」「メンバーの主体性を尊重している」など、自社特有の判断基準を整理し、社内で共通認識を持つようにしましょう。
これにより、面接時の質問設計や評価基準にも一貫性が生まれ、候補者とのミスマッチを未然に防ぐことができます。
カルチャーフィットは面接官の主観が入りやすい領域です。そのため、複数の面接官がそれぞれの視点から候補者を評価し、意見をすり合わせることが欠かせません。
一人の印象だけで「フィットしていそう」と判断すると、思わぬバイアスが働いている可能性があります。現場のメンバーや他部門の社員など、立場や経験の異なる面接官を交えることで、より多角的な視点からカルチャーフィットを検討することができます。
面接後のすり合わせでは、主観的な印象ではなく、候補者の具体的な発言や行動の根拠に基づいて話し合うことが大切です。

面接の最後に行われることの多い「候補者からの逆質問」は、候補者の価値観や志向性を把握するうえで有益な要素のひとつです。
どのような点に興味を持ち、何を大切にしているのかが逆質問の内容から見えてきます。たとえば、「どのような人が活躍していますか?」という質問は、企業風土や評価基準への関心を表しています。また、「部署間の連携はどのように行われますか?」といった問いからは、チームワークに対する興味が伺えます。
候補者が企業のどの部分に注目しているかを把握することで、自社のカルチャーと重なる部分があるかどうかを見極めるヒントになります。
参考:内定者面談を企業が行う目的とは?逆質問への回答例も5つ紹介
インターンシップは、候補者と企業のカルチャーの相性を確かめる良い機会です。特に長期(2日以上)のプログラムでは、候補者の行動やコミュニケーションの取り方、チームへのなじみ方などを自然な形で観察できます。
また、候補者にとっても「自分がこの環境で働くイメージが持てるか」を判断する貴重な時間になります。
インターンシップ後にサポートに入った社員からフィードバックを集めたり、候補者との面談を実施したりすることで、判断の精度をより高めることができるでしょう。
STAR面接とは、「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」の4つの観点で、候補者の過去の経験を深掘りする面接手法です。カルチャーフィットを判断する際には、抽象的な自己PRではなく、具体的な行動実績を明確にすることがポイントとなります。
たとえば、「過去にチーム内で意見が対立したとき、どのように対応しましたか?」という質問をする場合、まず「どんな状況だったか(Situation)」を確認します。次に、「その中で自分に求められていた役割や課題(Task)」を尋ね、さらに「どのように行動したか(Action)」を詳しく掘り下げます。最後に「結果はどうなったか(Result)」を聞き、その人の判断軸や行動スタイルが自社のカルチャーと合っているかを見極めます。
このように、STAR面接では候補者の価値観や行動傾向をより具体的に理解することができます。そのため、カルチャーフィットの精度を高めることが可能になります。
参考:構造化面接の質問例や実施手順とは?メリット・デメリットも解説

次に、面接でカルチャーフィットを見極める質問例を紹介します。先ほど紹介したSTAR面接の視点を踏まえ、候補者が話す具体的な行動に基づいて判断を行うようにしましょう。
この質問では、候補者が「どのような環境を心地よいと感じるか」が分かり、自社の文化との相性を測ることができます。たとえば「自由に意見を言える環境が良かった」と答えた場合、主体性やフラットな雰囲気を好む傾向があると判断できます。
企業風土に対する考え方を確認したいとき。新卒・中途問わず有効。
「職場」「学校」など複数の選択肢を与え、社会人経験の浅い人でも答えやすくすることがポイントです。続けて「その環境のどこが良かったか」や「なぜそう感じたのか」も聞くと、候補者の考えをより深く理解できます。
対人関係スキルや協調性、問題解決へのアプローチなど、チームの中での立ち回り方を見ることができます。企業が重視するコミュニケーションスタイルとの適合性を判断できます。
チームワークが重視される職場や、複数の関係者と連携する業務への適正があるかを見たいとき。
STAR形式で、「どんな状況で」「自分は何を求められたか」「どう行動したか」「結果はどうだったか」を丁寧に聞くと、候補者の行動傾向がより明確になります。
上司や組織との向き合い方、自律性、問題解決力、価値観のすり合わせ力を読み取ることができます。トップダウン(上意下達)カルチャーが強い企業では、この対応が重要な判断材料になります。
上下関係や上層部の意思決定に対して、柔軟に対応できるかを見たいとき。
「どんな指示だったか」だけでなく、「どこに納得できなかったか」「その背景をどう理解しようとしたか」「結果的にどう対応したか」を具体的に掘り下げましょう。
候補者が理想とするチームメンバー像から、職場で求める人間関係やコミュニケーションスタイルが見えてきます。また、チームとの相性を測る手がかりになります。
チーム構成や人間関係を重視する職場での採用時。自社の社員像とフィットするか確認したいときに有効。
「スキル面」「性格面」のどちらを重視しているかにも注目しましょう。さらに「なぜそのような人と働きたいと感じるのか」も尋ねると、候補者の価値観がより明確になります。
候補者が「どんな状況で満足感を得るか」「仕事において何を重視しているか」といったモチベーションが分かります。企業が提供できる仕事環境や成長機会と一致するかを判断するために重要な要素です。
候補者の仕事に対するモチベーションや求めることが、自社の方向性と合っているか確認したいとき。
単に「うれしかった経験」ではなく、「なぜ達成感を感じたのか」「どんな工夫や努力をしたのか」を聞くと、本人の価値観や行動原則が浮き彫りになります。
参考:面接で人の本性を見抜く質問30選|すぐに使える質問例やコツをご紹介

カルチャーフィットを重視することには、メリットだけでなくリスクや注意点も存在します。ここでは、カルチャーフィットを意識した採用を行う際に、あらかじめ押さえておきたいポイントについて解説します。
カルチャーフィットを重視しすぎると、「自社に合いそうな人」ばかりを採用してしまい、結果として似た価値観・性格のメンバーが集まりやすくなります。これは「同質化」と呼ばれ、組織に多様な視点や新しい発想が入りにくくなる原因になります。
このような事態は、カルチャーフィットの意味を誤って解釈していることが原因です。カルチャーフィットという言葉を「自分たちと似た人を採用すること」と捉えてしまうと、多様性(ダイバーシティ)とは相反するものになってしまいます。
しかし、本来のカルチャーフィットとは、「企業が大切にしている価値観や行動原則に共感できるかどうか」を指します。
たとえば、「お互いを尊重する」「挑戦を恐れない」「チームで成果を出す」といった価値観に共感している人であれば、出身や性格、働き方が異なっていてもフィットする可能性は十分にあります。
参考:ダイバーシティ&インクルージョンの説明書!社員の多様性を活かして企業を成長させよう
カルチャーフィットは定量的な評価が難しいため、「雰囲気が合いそうだった」「話していて印象が良かった」といった、面接官の主観に左右されやすい傾向があります。その結果、「自分と似たタイプだから安心できる」といった感覚で評価が甘くなったり、逆に話し方や態度だけで本来の能力を見誤ってしまうこともあります。
こうしたリスクを避けるには、カルチャーフィットを「どういう状態を指すのか」を社内で明確に言語化し、「どんな行動や考え方を重視するのか」を評価基準として定めておくことが大切です。
また、面接官を複数人にし、それぞれの視点から評価を出し合う体制を整えることで、個人の主観に偏らない公平な判断が可能になります。
「カルチャーフィットを重視します」と強く打ち出すと、候補者によっては「型にはまった人しか採用しないのでは?」と感じることがあります。これにより、意欲や能力のある人材が応募をためらったり、「自分らしさを出しにくい企業」という印象を持たれる恐れもあります。
そのような印象を払拭するために、「共通の価値観を大切にしつつも、さまざまな背景を持つ人を受け入れる柔軟性がある」ということを、採用の場で伝える工夫が不可欠です。

最後に、カルチャーフィットについてよくある質問とその回答を紹介します。カルチャーフィットについての理解を深めたいとお考えの採用ご担当者様は、ぜひご参考にしてください。
A. まずは、自社が「どんな価値観を大切にしているか」を言語化し、それを具体的なコンテンツとして発信しましょう。
たとえば、Instagramで社内イベントや日常の働く様子を写真付きで紹介したり、採用サイトに社員インタビューや「1日のスケジュール紹介」などの記事を掲載したりするのが効果的です。
さらに、YouTubeでオフィスツアーや社員同士の対談動画を発信するのもおすすめです。説明会やインターンシップを通じて、候補者が実際の職場の雰囲気を体感できる機会を提供することも、自社カルチャーを伝えるうえでは欠かせません。
A. 一定の共通軸を持ちつつ、部署ごとの違いを反映するのが理想的です。
企業全体として大切にしている価値観(例:誠実さ、挑戦心、チームワークなど)は軸として共有しつつ、現場の業務スタイルや人間関係に合わせて評価ポイントを調整することは問題ありません。
たとえば、営業部では主体性や人当たりの良さが重視される一方で、管理部門では丁寧さや調整力が求められるかもしれません。カルチャーフィットを「全社共通の価値観+部署ごとの特徴」として設計することで、より実態に合った採用が可能になります。
A. はい、採用後にカルチャーフィットを育てることは可能です。ただし、採用時に一定の適性を見極めておくことも重要です。
オンボーディングや日々のコミュニケーションを通じて、企業の価値観や行動原則は徐々に浸透していきます。そのため、フィットの度合いは入社後に高めていくことができます。
とはいえ、価値観が根本的に異なる場合は、適応が難しくなり、早期離職やチーム内の摩擦につながるリスクもあります。そのため、採用時には「今すぐ合っているか」ではなく、「将来的にフィットしそうか」「共感の素地があるか」を見極めることが大切です。
企業の価値観や文化に適合するかどうかを見極める「カルチャーフィット」は、採用を成功に導くうえで欠かせない要素のひとつです。
カルチャーフィットしない候補者を見極められなかった場合、企業側だけでなく、候補者にとってもストレスやミスマッチの原因となりかねません。とはいえ、カルチャーフィットは面接官の主観だけで判断すべきものではありません。まずは自社の価値観や文化を明確に言語化し、そのうえで客観的な視点から見極めていくことが重要です。
本記事の内容が、カルチャーフィットについて理解を深めたい採用ご担当者様にとって、少しでも参考になれば幸いです。
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