お役立ち記事

採用ノウハウ

面接官が聞いてはいけない「タブーな質問」と「NG行動」をご紹介

    • 採用ノウハウ
面接官が聞いてはいけない「タブーな質問」と「NG行動」をご紹介

面接官は、応募者に寄り添いながら自らの役割を全うする必要があります。そのため、タブーな質問をしたり、応募者の入社意欲を削ぐような態度を取ったりすることは、絶対に避けたいものです。

そこで今回は、面接官にはじめて挑戦する方に向けて、その役割や面接時に聞いてはいけない質問についてご紹介します。あわせて、面接時のNG行動も解説しているので、ぜひご覧ください。

また、陥りやすい「面接の落とし穴」について解説した資料も無料でプレゼントしています。
ご興味をお持ちの方は、是非こちらもご覧ください。
株式会社人材研究所 曽和利光代表に聞く!採用面接の落とし穴 8選

まずは心得を知ろう!面接官の2つの役割

面接時にタブーとされる質問を確かめる前に、まずは面接官の役割を理解しておきましょう。

1.企業の代表者として応募者と真摯に向き合う

面接は、企業にとって「応募者の企業に対する印象」を決定づける重要な場面です。現に、面接・面接官の印象をベースに入社するか否かを検討する応募者は珍しくありません。そのため、面接官は「企業の代表者」としての役割を果たす必要があります。
具体的には、応募者に不信感や誤解を与えないよう、真摯な姿勢で実直に対応することが大切です。また、求める条件に合った応募者に自社の魅力を伝え入社を促すことも、重要な役割といえます。

2.応募者が自社に合った人材か見極める

面接官は、面接という短い時間で応募者の能力や経験、志向を確認・把握しなければなりません。また、把握した内容をもとに適性を見抜き、「自社が求める人材か」を判断する必要があります。つまり、面接官には「応募者を見極める」という重要な役割があるというわけです。
経営資源のひとつである「人」と企業との相性は、経営の中核に大きく関わります。そのため、鋭い観察眼と的確な話術で応募者の真意を探ることが大切です。

タブーを押さえよう!面接時に聞いてはいけない11の質問

厚生労働省は、面接時に「応募者の適性・能力に関係ない質問をすること」を推奨していません。なぜなら、本籍や家族構成、思想信条などを把握した場合、どうしても採用するか否かの判断に影響が及び、就職差別につながる恐れがあるためです。よって、面接時に以下でご紹介する11の質問をすることは避けるべきといえます。

参照:公正な採用選考の基本|厚生労働省

1.本籍・出生地についての質問

本籍・出生地についての質問は、「本人に責任のない事項の把握」に該当するためNGです。具体的には「本籍はどこですか?」「出生地はどこですか?」などと尋ねるのがタブーといえます。このほか、応募者に戸籍謄本(戸籍抄本)や本籍が載った住民票(写し)を提出させるのも厳禁です。
もし本籍や出生地をもとに採用選考を行った場合、基本的人権の侵害に該当することもあるので、十分に注意しましょう。

2.家族についての質問

家族についての質問も「本人に責任のない事項の把握」に該当するためNGです。具体的には、職業や続柄、健康面(病歴)、地位、学歴、収入、資産などを尋ねてはならず、たとえば「ご両親の健康状態はいかがですか?」「家族に離婚歴のある人はいますか?」などの質問がタブーといえます。こうした応募者自身の努力で解決できない事柄については、質問しないのが堅実です。

3.住宅状況についての質問

住宅状況についての質問も「本人に責任のない事項の把握」に該当するため、避けなければなりません。具体的には、住宅の種類をはじめ、間取りや部屋数、近隣の施設などを聞くのがNGであり、たとえば「賃貸ですか?」「在住地域の魅力は何ですか?」といった質問は望ましくないといえます。
ただし、「在宅勤務の環境が整っているかどうか」について質問するのは問題ありません。応募者自身の努力次第で変えられる事柄なので、基本的人権の侵害に該当しないと考えられます。

4.生活環境・家庭環境についての質問

生活環境・家庭環境についての質問も「本人に責任のない事項の把握」に該当するため、面接時は避けるべきといえます。具体的には「長男(長女)ですか?」「母子家庭(父子家庭)ですか?」などと尋ねるのがタブーです。このほか、転校の有無に関する質問も避けるのが望ましいでしょう。

5.宗教についての質問

宗教についての質問は「本来自由であるべき事項の把握」に該当するためNGです。たとえば、「どの宗教を信仰していますか?」「神様の存在を信じていますか?」などの質問がタブーといえます。
大前提として、宗教に対する考え方は応募者の能力・適性に何ら関係ないので、面接時に質問すべきではありません。

6.支持政党についての質問

支持政党についての質問も「本来自由であるべき事項の把握」に該当するためNGです。具体的には「どの政党を支持していますか?」「選挙には行きましたか?」といった質問をしてはいけません。
仮に上述したような質問を投げかけた場合、意識せずとも偏った見方をしてしまう可能性があります。すべての応募者を公平に選考するためにも、支持政党について質問はしないようにしましょう。

7.人生観・生活信条についての質問

人生観・生活信条についての質問も「本来自由であるべき事項の把握」に該当するため、避けなければなりません。応募者を理解する目的でつい尋ねてしまいそうですが、自由権に属する事柄のため控えるべきといえます。具体的には「人生観について教えてください」「信条としている言葉はありますか?」などの質問がタブーです。

8.尊敬する人物についての質問

尊敬する人物についての質問も「本来自由であるべき事項の把握」に該当するため、面接時は避けるべきといえます。応募者の答え次第では思想や信条まで把握できることもあり、その場合は就職差別につながりかねません。そのため、「尊敬している(目標としている)人はいますか?」といった質問はしないよう注意しましょう。

9.思想についての質問

思想についての質問も「本来自由であるべき事項の把握」に該当するためNGです。たとえば、「自分の生き方をどう捉えていますか?」「今の社会をどう思いますか?」などの質問が挙げられます。
応募者の思想をもとに採用選考を行うことは基本的人権の侵害に該当するため、これらの質問はタブーであることを忘れないようにしましょう。

10.労働組合・学生運動など社会運動についての質問

社会運動についての質問も「本来自由であるべき事項の把握」に該当するため、避けなければなりません。具体的には、「デモをどう捉えていますか?」「どのような学生運動に参加しましたか?」などの質問がタブーとされています。万が一質問した場合、プライバシーの侵害にあたる可能性もあるので、十分に注意しましょう。

11.購読新聞・雑誌・愛読書についての質問

購読新聞・雑誌・愛読書についての質問も「本来自由であるべき事項の把握」に該当するためタブーです。応募者の人生観や信条、思想の把握につながりかねないので、「普段どんな本を読んでいますか?」「新聞を読む習慣はありますか?」といった質問はしないようにしましょう。

面接官なら知っておくべき!面接時のNG行動

面接官として役割を果たすには、タブーな質問とあわせてNG行動も押さえておくことが大切です。

事前情報を知らないなど、準備不足で面接当日を迎える

もし準備不足によって、面接官が応募書類に明記されている事項に関して質問をした場合、応募者は「応募書類を読んでいない」「自分に興味がない」と感じる可能性があります。そうなれば、企業のイメージダウンにつながるほか、辞退されてしまいかねません。この事態を避けるためにも、面接官は万全な準備のもと面接を行うことが大切です。

自己開示・募集背景の説明を一切しない

自己開示や募集背景の説明を一切しなかった場合、応募者が企業や面接官のことを理解する機会が減ることにより不信感を抱く恐れがあります。また、応募者が入社後の様子をうまくイメージできず、辞退してしまう可能性も考えられます。そのため、自己開示・応募背景の説明は面接官として欠かさずに行うことが大切です。
たとえば、面接官はまず自分自身の自己紹介をするようにしましょう。面接前のアイスブレイクになるほか、自らの入社動機を話すことで、応募者に企業のイメージがより伝わりやすくなります。

応募者が面接官を「対戦相手」と感じてしまうような面接では、本音の擦り合わせが困難です。その点、面接官が自身の情報や価値観を自己開示することで「面接官は仲間である」と思ってもらえるよう心掛ければ、本音を引き出しやすくなります。

応募者に対する敬意が伴わない態度を取る

応募者を否定したり軽んじたりと、敬意が伴わない態度は取らないようにしましょう。そうした態度は、応募者が企業に対して不信感を抱く原因となり、選考の辞退や悪い口コミの拡散などにもつながりかねません。
上述のとおり、面接官には「企業の代表者」としての役割があるので、態度ひとつ取っても真摯な姿勢と実直さを忘れないことが大切です。

このほか、心理的なダメージを与えてしまう可能性から、応募者を圧迫するような態度を取ることも避けるべきです。最悪の場合、訴えられてしまう危険性もあるので、高圧的な態度を取ることは絶対に避け、対等な立場として応募者を理解し寄り添うよう心掛けましょう。

まとめ

採用活動において面接官を担当する際は、その役割とともに、タブーな質問・NG行動を把握しておくことが大切です。とくにタブーな質問に関しては、知らないままだと応募者の基本的人権やプライバシーを侵害してしまう可能性があるので、確実に押さえておくようにしましょう。

なおThinkings株式会社では、採用戦略のヒントが詰まった「企業が知らない 企業と就活生が対等に選び合う時代の就活生の本音」を公開しています。面接官の態度や質問内容に対する就活生のリアルな声も確認できるので、ぜひダウンロードしてご参考にしてください。

新卒採用の早期化が加速!採用成功のカギとは?
新卒採用の早期化が加速!採用成功のカギとは?
新卒採用の早期化・オンライン化に対応しながら、採用活動を成功させるためのポイントをマンガで分かりやすく解説します!
無料でダウンロードする
SHARE
この記事の著者
sonar ATS編集部
sonar ATS編集部

2,300社以上にご導入された採用管理システム sonar ATSを展開。このお役立ち記事では、採用セミナーレポートやお役立ちコンテンツをはじめ、企業の採用担当者の皆さまに採用に役立つ有益な情報をお届けしています。

  •  

  •  

sonar ATSをさらに詳しく知りたい方

導入にあたって気になるポイントを解説します