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意外と知らない「ヘッドハンティング」!目的やメリット・デメリットを解説

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「ヘッドハンティング」という言葉を見聞きしたことはあっても、実際に取り組んだことがなく詳しい特徴や内容までご存じの方は少ないかもしれません。 そこで今回は、ヘッドハンティングの概要や目的、メリット・デメリットについてご紹介します。あわせて、ヘッドハンティングの取り組み方も解説しているので、ぜひご参考にしてください。

優秀な人材を確保できる?!ヘッドハンティングとは

ヘッドハンティングとは、他社で活躍している優秀な人材に声をかけて自社に引き抜くことです。確実に優秀な人材を確保できるという特徴から、新たな採用手法として注目が集まっています。
なお、ヘッドハンティングの主なターゲットは、経営幹部や管理職など、経営を担う人材や専門スキルを持つ人材であることがほとんどです。

海外と日本で異なる!ヘッドハンティング事情

ヘッドハンティングに対する考え方は、海外と日本で異なります。

アメリカでは、転職を「キャリアアップの手段」として捉えています。そのため、ビジネスパーソンの多くは、今以上に働きやすい環境・高額な収入・優れたポジションを得る目的で転職することにほとんど抵抗がありません。いうなれば、自らがヘッドハンティングの対象になった際には「キャリアアップにつながる絶好の機会だ」と捉えるケースが多いのです。

一方日本では、ひとつの企業で長く働くことが美徳と考えられてきました。また、長く働くことで収入が上がったり高いポジションに就いたりする仕組みも確立されています。そのため、転職をネガティブに捉えるビジネスパーソンが多く、よってヘッドハンティングに抵抗感を持つ人も多い傾向にあるのです。
しかし、終身雇用制度の崩壊や人材不足により、日本における転職への考え方は変わりつつあります。それに伴い、ヘッドハンティングへの理解も深まっており、今新たに注目され始めています。

時代背景が関与!ヘッドハンティングの目的

では、ヘッドハンティングはどのような目的で実施されるのでしょうか。

優秀な転職者の確保

ヘッドハンティングの目的には、まず「優秀な転職者の確保」が挙げられます。

終身雇用制度の崩壊によって、日本では今転職が当たり前になりつつあります。現に、厚生労働省職業安定局も「生え抜き社員の割合は長期的に減少傾向にある」と発表しています。
また、総務省統計局が公表している「年齢階級(10歳階級)別転職者数及び転職者比率」を見ても、転職者数は増加傾向にあることがわかります。具体的には、2010年10〜12月の総数が280万人であるのに対し、2020年の同時期は314万人にまで及んでいるのです。

これらの結果から、さまざまな人材が雇用市場を活発に動き回るようになったことがわかります。この状況下でヘッドハンティングを行えば、優秀な転職者を逃さず自社に迎え入れることが可能です。

参照:我が国の構造問題・雇用慣行等について|厚生労働省職業安定局
   年齢階級(10歳階級)別転職者数及び転職者比率|総務省統計局

自社における人材不足の解消

このほか「自社における人材不足の解消」も、ヘッドハンティングの目的のひとつです。

終身雇用制度の崩壊により転職者が増えることは、自社に留まる人材が減るということでもあります。この課題を解消するには、たとえば採用活動に注力することが必須です。
しかし、採用活動には必ず成果を得られるという保証がありません。なぜなら、昨今は「就職・転職を希望する人材」よりも「人材を採用したい企業」が多い売り手市場であるため。いくら採用活動に励んでも、優秀な人材を確実に確保できるとは限らないのです。

その点、ヘッドハンティングなら求める人材を直接引き抜けるので、確実に採用することができます。そのため、自社の人材不足を解消しやすくなるのです。

押さえておこう!ヘッドハンティングのメリット・デメリット

ヘッドハンティングを実施することには、メリット・デメリットがあります。

メリット

ヘッドハンティングのメリットは、以下の2つです。

1.優秀な人材を確保しやすくなる

上述のとおり、昨今は売り手市場であることから、企業による人材獲得競争が激化しています。その中で従来の採用手法だけに取り組んでいては、なかなか人材を確保できません。
その点、現在企業に在籍中で必ずしも転職活動中ではない人物を引き抜くのがヘッドハンティングの特徴。ヘッドハンティングを実施すれば、転職市場にはいない人材に水面下でアプローチできます。つまり、他社と人材獲得で競うことなく優秀な人材を確保できる可能性があるのです。

2.業績を上げられる可能性がある

ヘッドハンティングの魅力は、求める人材をピンポイントで引き抜けるところです。たとえば「企業の成長が低迷している今、新しいアイデアを取り入れたい」という場合は、優れた発想力を持つ人材にフォーカスし、ヘットハンティングを行うことができます。
こうした人材の確保は、課題の解決や企業のさらなる成長につながる可能性があるため、結果として業績の向上が見込めます。

デメリット

ヘッドハンティングのデメリットは、以下の2つです。

1.時間・コストがかかる

ヘッドハンティングのターゲットは、主に転職潜在層(転職を考えていない人)です。そのため、モーションをかけ転職してもらうまでに、それなりの時間やコストがかかります。また、ヘッドハンティング会社を利用する場合は、その分追加でコストが発生してしまうのです。
ただし、計画・スケジュールを練ってヘッドハンティングを実施すれば、このデメリットを回避できることもあります。そのため、工夫次第では時間やコストを最小限に抑えることが可能です。

2.トラブルにつながる可能性がある

基本的に、労働者がヘッドハンティングを理由に今いる企業を退職しても、何ら問題はありません。しかし、それでもヘッドハンティングによるトラブルが起こることもあります。
具体的には、たとえば「優秀な社員が引き抜きを機に同業他社へ転職したことで既存の顧客まで奪われ、企業全体の売り上げが減少した」というケースが挙げられます。

何らかのトラブルが起こった場合、引き抜いた人材が元いた企業から訴えられるケースもありますが、ヘッドハンティングによる採用そのものが法律違反になることは本来ありません。ただしトラブルに発展する可能性がある旨は、必ず念頭に置いておきましょう。

基本的な流れを知ろう!ヘッドハンティングの取り組み方

最後に、ヘッドハンティングの基本的な取り組み方をご紹介します。ぜひごご参考にしてください。

1.競合他社の情報を収集する

ヘッドハンティングにおいて、ターゲットに自社を選んでもらうには情報収集が必須です。具体的には、競合他社が提示している待遇や収入、福利厚生など、条件に関する情報を集める必要があります。その上で自社の条件を調整すれば、ターゲットに振り向いてもらいやすくなるでしょう。

2.ターゲットについて理解を深める

「なぜモーションをかけたのか」「どの能力を必要としているのか」といったオファー理由は、ヘッドハンティングにおいて重要なポイントです。そのため、ターゲットの実績とあわせて需要や志向性、将来性などを十分に把握・理解するようにしましょう。

3.ターゲットに寄り添う

ヘッドハンティングを成功させるには、ターゲットと信頼関係を築くことも欠かせません。高圧的な態度にならないよう注意しつつ、相手に寄り添ったコミュニケーションを取るよう心掛けましょう。
また、自社の強みや魅力ばかりではなく、抱えている課題や目標も伝えることが大切です。そうすれば、ターゲットが自社に興味・好感を持つ可能性が高まります。

4.ターゲットのニーズに耳を傾ける


ターゲットと会話をしていると、今いる企業や業務に対する不満・要望が出てくる可能性があります。その内容を加味して需要に応えられる条件やタイミングを作り出せば、転職する予定がなかったターゲットの気持ちを動かせる可能性があります。

まとめ

ヘッドハンティングは、優秀な人材を確実に確保できる採用手法です。業績の向上につながる可能性もあることから、昨今大きな注目を集めています。
売り手市場の今、もし人材不足や人材確保の難しさに悩んでいるのであれば、今回ご紹介した取り組み方をご参考に、ぜひヘッドハンティングを実施してみてください。

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この記事の著者
sonar ATS編集部
sonar ATS編集部

1,900社以上にご導入された採用管理システム sonar ATSを展開。このお役立ち記事では、採用セミナーレポートやお役立ちコンテンツをはじめ、企業の採用担当者の皆さまに採用に役立つ有益な情報をお届けしています。

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