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採用活動の一つの方法として、「オンライン面接」を導入している企業は増えてきています。企業側も面接をすること自体には慣れてきているでしょう。しかし優秀な人材を見極めることができているのか、疑問に感じている採用担当者は多いのではないでしょうか。
人材の見極めに難しさを感じる背景には、オンライン面接特有の「非言語的な手がかりや伝達感が少ない」といった、コミュニケーション上の特性があります。しかし実際は、対面で面接を行う場合と比べて、オンラインの方が精度の高い見極めができるという結果も出ており、やり方次第では採用活動の改善に大きく役立つ可能性があるでしょう。
本記事では、オンライン面接とリアル面接の違いや、オンライン面接での見極めに有効な手法、注意点などについて説明します。
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ご興味をお持ちの方は、是非こちらもご覧ください。
⇒株式会社人材研究所 曽和利光代表に聞く!採用面接の落とし穴 8選
目次
人材の見極めに難しさを感じることで、効果に疑問を抱いている採用担当者もいるのではないでしょうか。オンライン面接にはこれまでの面接手法とは大きく異なるメリットがあります。順に確認していきましょう。
オンライン面接を行うと面接会場までの移動を省けるため、移動時間や交通費の負担を減らすことができ、面接日程の調整が難しく応募者が辞退するリスクを減らせます。
また対面で行う面接と比べて、面接会場を確保する手間が減り、面接時間も短い傾向があるため、採用する企業側にも費用や時間を節約できるメリットがあります。採用までに複数回の面接の機会を設けている場合、より影響は大きいでしょう。
これまでは遠方や海外に住んでいる場合、宿泊費や交通費の負担が大きく、応募を断念するケースがありました。オンライン面接では応募のハードルが下がるため、採用対象が広がります。応募数が増えれば、優秀な人材を採用する機会にも恵まれるでしょう。
一般的なWEB会議ツールや面接ツールには、録画機能がついています。面接時の様子を録画しておくことで、面接官に対して面接のフィードバックを行うことや好事例の共有ができます。客観的な情報をもとに指導したり、共有したりできるため、採用担当者ごとの評価のばらつきを減らすことにも役立つでしょう。
オンライン面接のデメリットにはどのようなものがあるのか、説明していきます。
ビデオ通話機能が発達し、以前よりも非対面での会話が容易にできるようになっていますが、依然として声の聞き取りやすさや表情の読み取りやすさは大きな違いがあります。通信環境によっては、声が聞き取りづらい、話すタイミングが合わないといった問題が起こることも多く、簡単な会話でさえうまくいかないこともあるでしょう。
また目の前に応募者がいないことへの違和感から、単調な質問しかできず、合否を決めるための応募者の考え方や資質といった判断材料を引き出せないケースもあります。
面接のやりとりを録画できるのは便利である反面、管理方法を誤ると、応募者の個人情報や企業の機密情報を流出させてしまう危険性があります。
また録音データがSNSなどに出回ることで、面接内容が事前に応募者に伝わってしまい、公平な選考ができなくなることも考えられるでしょう。
オンライン面接を導入すると、時間や経済的な面での制約が小さくなるため、応募者が複数の企業に応募するハードルが下がります。優秀な人材が複数の企業に応募するケースも考えられるため、企業間での獲得競争が激しくなる可能性があるでしょう。
また応募者が増えると、その分選考に時間がかかるため、採用工程の見直しが必要になるケースもあります。

オンライン面接でやりにくさを感じるのには、コミュニケーション方法の違いが大きく影響しています。リアル面接と比較した場合の、コミュニケーションの違いについて説明していきます。
非言語的手がかりとは、服装や表情、ジェスチャーといった言葉以外の情報を指します。
リアル面接では容易に知ることのできるこれらの情報が、オンライン面接ではわかりづらくなります。また情報を発信する側にとっても、表情が乏しくなる、リアクションが薄くなるといった変化がみられるため、会話のキャッチボールが難しく感じることがあります。
情報伝達の場面では、実際にどの程度の情報が伝わったのかという「伝達度」と、自分の情報が相手に伝わった手応えを表す「伝達感」という感覚が存在します。
対面で会話をする場合には伝達感が高い一方で、オンラインの場合は伝達度が高くなりやすいという特徴があります。しかし人間の脳は、伝達度よりも伝達感を重視する傾向があるため、「相手にしっかり伝わっていても、伝わっている感じがしない」「相手から正確に情報を受け取れているのに、理解できている感じがしない」という感覚に陥りやすくなります。
オンライン面接を実施すると、非言語的な手がかりが減少し、伝達感がなくなることによって、応募者側が「面接がうまくいかなかった」「あまりいい企業だと思えなかった」という感覚になることが考えられます。オンライン面接は、入社意欲を高めるのが難しい手法だといえるでしょう。
一方で人材の「見極め」という観点でいえば、プラスに働くケースがあります。というのも、オンライン面接では心理的バイアスが除去されるためです。対面で行う面接では、声の印象や明るさ、身だしなみのような非言語的な手がかりに目が向きがちです。面接官ごとに評価がばらつくうえ、明るくコミュニケーション能力の高い「外交的な雰囲気」を持った人材が採用されやすいといった傾向があります。しかし、実際にはそれらの要素は仕事の能力には直結しません。対面での面接においては、面接での評価と実務におけるパフォーマンスに有意な相関関係が認められなかったというデータもあります。
オンライン面接では話している内容のみに焦点が当たるため、自社の基準にあった人材であるかどうかの「見極め」に関しては精度が高くなるといえるでしょう。
オンライン面接を効果的に利用するためにはどのような手法を取り入れるとよいのでしょうか。順に見ていきます。
対面面接との違いを理解し応募者を見極めるために、面接官のトレーニングを行うのは有効です。慣れの問題もあるため、ロールプレイングのような実践的な方法も適宜取り入れるとよいでしょう。
構造化面接は、Googleも採用している面接手法です。あらかじめ決めておいた質問内容や評価方法に基づいて、合否を決定していきます。マニュアルに基づき会話を行うことで、面接官による評価のバラつきが少なくなり、正確に見極めができるというメリットがあります。
また事前に質問内容を決めておくことで、会話がスムーズに進み「面接官と対話できた」「自分の能力をしっかり見てもらえた」と感じてもらいやすくなるため、見極めだけではなく、応募者の入社動機の形成にも役立つでしょう。

オンライン面接と相性のよい「構造化面接」の具体的な進め方について、説明します。
なお、構造化面接についてはこちらの記事でも詳しく説明しています。
最初に、採用が必要なポジションの職務内容を分析し、「実績を残せすためにはどのような経験や資質を持っているのが望ましいのか」、また「どのような人物であれば社風とマッチする可能性が高いのか」といった人材像を明確に定義します。
人材像を定義した後は、具体的に何を評価するのかという評価項目を決めます。評価項目が決まっていても、どのような発言や行動をどの程度評価するのかの基準が決まっていなければ面接官によってばらつきが出てしまうため、評価基準についても策定しましょう。
「もし〜だったら」という仮説に基づいて質問を行う状況面接や、過去の経験や行動について掘り下げる行動面接手法などを取り入れて質問を作成します。回答に対してさらに掘り下げる質問も用意しておくとよいでしょう。
あらかじめ用意した評価基準に基づいて採点をし合否を決定します。構造化面接においては、全ての面接官が同じレベルで採用ができるようになるのが目的です。事前にマニュアルを渡して説明したり、個別にトレーニングをしたりする必要があるでしょう。
オンライン面接で応募者を見極める際に、注意すべきポイントがいくつかあります。順に見ていきましょう。
オンライン面接は非言語的な手がかりが減るため、応募者の魅力が採用担当者に伝わりづらく、自然と評価が厳しくなる傾向があります。応募者の良い面に注目することを意識し、様々な話を引き出せるよう、面接官が質問内容を工夫することも必要です。
オンライン面接では、対面で行う面接と同じような会話のキャッチボールができるとはかぎりません。距離感を縮めるというよりも、どんなことを聞きたいのかという意図が伝わるように質問することを意識するとよいでしょう。
学生や20代の応募者の場合、対面よりもオンラインのコミュニケーションに慣れているケースがあります。面接の場では好印象でも、対面でのやりとりが苦手である可能性もあるため、組織で働く上での協調性やマナーに問題がないかは十分に確認が必要です。
オンライン面接では応募者と採用担当者、双方の伝達感が薄まるという特徴があるため、対面時よりも大きくリアクションするよう心がけましょう。
オンライン面接での見極め方法について、リアル面接との違いをふまえた具体的な手法や、注意点を説明しました。
人材を見極めるという点で、オンライン面接にはリアル面接に比べ、劣っている手法ではありません。むしろ心理的なバイアスがなくなるため、正確に判断できることもあります。
また、「構造化面接」は採用の標準化につながるため、オンライン面接との相性が良いです。手法を定着させるまでにある程度の時間はかかりますが、実践できれば大きな武器となるでしょう。
2,300社以上にご導入された採用管理システム sonar ATSを展開。このお役立ち記事では、採用セミナーレポートやお役立ちコンテンツをはじめ、企業の採用担当者の皆さまに採用に役立つ有益な情報をお届けしています。