独自性のある採用活動の実現から属人化の解消まで

━━━ sonar ATSが“自動化”にこだわる理由

採用は企業にとって最も重要な活動の一つ。しかし多くの企業では、限られた人員で対応をせねばならず、業務効率化が喫緊の課題となっています。一方、価値観の多様化や人材競争の激化により、人材確保は難化。企業にはそれぞれの文化を反映させた、採用自体の差別化が求められています。多様な応募者に対して綿密で丁寧な対応を、限られた人数で効率的に実現する。この相反する課題に応えるべく、sonar ATSでは自動化を強化してきました。今回はsonar ATSが自動化に注力する理由について、社内でも長くお客様に相対してきたプロダクトマネージャーの仙頭と、それを技術的に可能にしてきたテックリードの廣瀬が語ります。

細かな調整が実現する柔軟な採用業務の自動化

ーsonar ATSは採用業務の自動化を実現する点で、お客様から評価されていると聞きました。どのような自動化を実現しているのでしょうか。

仙頭中小企業では、ひとり人事や他部署との兼務など限られた人員で、給与や労務管理といった業務と並行しながら採用実務に取り組んでいます。採用実務は、日程調整や書類選考、メールのやりとりなど、細かい判断の伴う事務作業とコミュニケーションの集積なんです。そこで工数が取られると、途端に業務がスタックしてしまいます。

そういった課題を解決するためsonar ATSでは、候補者に対して、画一的な案内やリマインドメールを設定するだけでなく、関心を持ってくれた候補者に対して、募集チャネルに応じて次の案内を送り分けるといったことが可能になっています。スカウト経由で接点の浅い応募者と、社外説明会などの機会で過去にコミュニケーションの履歴がある方とで、次に案内する内容やプロセスを変えるという具合です。連絡するという1つの業務に対しても、そこで生じる判断と作業をさまざまな方法で自動化できます。こうした柔軟な自動化により、それぞれの企業文化に合わせた多様な使い方を実現できるのです。

採用活動は企業にとっても求職者にとっても重要です。その接点をよりよくしようと思うと、コミュニケーションの文脈からきちんと設計し、それに則った対応が欠かせません。ですが、実際にそこにコストを掛けられるかというと、ひとり人事のような限られた体制では、なかなかそうもいきません。少ないリソースのなかでベストなコミュニケーションを実現するうえで、sonar ATSは柔軟で細かな自動化ができる点で、その役に立てるのではないかと思っています。

ー細かな自動化の機能はどのように生まれたのでしょうか。

仙頭代表の瀧澤は採用業界に長くおり、sonar ATSより以前にも受託でATS(※)の開発に携わってきました。私もその下でATSを使ったコンサルティングに取り組んでいたのですが、そのなかでお客様の思い描く採用活動とATSがフィットしないことがよくありました。自社開発するときには、そうした部分を少しでも解消したいという思いもあって、細かなチューニングが可能な現在の機能に至っています。
※:ATS:Applicant Tracking Systemの略で、採用管理システムのことを指します。

柔軟で多彩であることがsonar ATSらしい

ー自動化は技術的にはどのように実現しているのでしょうか。

廣瀬sonar ATSの自動化には、フロー、フォローアクション、検索オプションという3つの要素があり、これらの組み合わせによって多彩な利用方法が可能となっています。

フローは、その名の通り採用フローを指し、お客様ご自身が自由に候補者とのコミュニケーションや選考の流れを設計できる、もっともコアな機能です。ノーコードでわかりやすいUIを採用し、組み上げた自動化を設定画面で可視化できます。

フォローアクションは、フローに対してどのような処理を実行するか、を表す機能です。まるですごろくのように、フローに沿って進んでいくなかで必要なアクションを実行します。

そして検索オプションでは、誰に対してその処理をするのかを判断する機能です。求職者の属性により処理を振り分けますが、細かく柔軟な絞り込みができます。これら3つの要素が組み合わさって、さまざまな採用の形にフィットした自動化を提供しています。

仕様について議論するときにも、多彩な使い方にフィットできる方向に意思決定しています。柔軟で多彩な使い方ができることがsonar ATSらしさなのです。「sonarにしかできない自動化は多いですよね」、という声をお客様からもよくいただきます。それはこうしたsonar ATSらしさから来ているのかもしれません。

ー多彩な機能と自動化の両方を実現することは難しいように感じます。

廣瀬たしかに両立は難しいですね。柔軟性が高いということは、それだけ多彩な方法で利用されるということに他なりません。なかには、数千人から1万人以上にも及ぶような大量の応募者が、一度に数十ステップにも及ぶ条件分岐を経て、さまざまなアクションを同時に行うような、複雑な自動化を組むお客様もいらっしゃいます。システムとしては高い負荷がかかってしまうのですが、これもお客様の採用目的を達成するために必要なユースケースとして理解しています。

こうした自動化の設定は、どんな方法でも処理してくれる、というお客様からの信頼感があるからこそといえます。ですから、安定した動作ができるよう応えることは、私たちにとって重要な取り組みです。お客様それぞれの採用目的を達成できるよう、負荷のかからない方法を模索して、適切に処理が行えるように努めています。

自社のこだわりを簡単に自動化できるシステムを目指して

ー自動化はどのようにお客様に貢献していると考えられますか。

仙頭お客様と対面する時、採用業務について細かく聞くようにしています。なぜそのような業務をしたいのか、そこにはお客様の想いが込められているからです。一方で多くの場合で、実現したいことと実際の業務の間に、ギャップが生じています。

しかしsonar ATSであれば、自動化された採用フローを柔軟に設計することができるので、限られた人員で候補者一人ひとりに対して向き合い、きめ細かい対応を実現できます。「手間がかかるので諦めていたけれど、本来はこうしたい」という理想と現実の溝を埋められるので、商談の場面で課題解決の提案が可能なのです。さらにsonar ATSをご利用いただくことで、お客様にとってもよりよいコミュニケーションを実現し、その後の対応も省力化できるほか、他社との差別化により競争力を強化できます。

やっているビジネスも採用したい人も違うなか、他社と同じ活動をしていては、採用競争には勝てない時代です。お客様の持つ想いやこだわりが競争源泉になるいま、sonar ATSの自動化は提案しがいのある機能といえます。

ー自動化の設計もはじめてのお客様には難しそうな気もします。

仙頭そうですね。実際に、どのように取り組んでよいかわからない、というお客様も多くいらっしゃいましたので、簡単に採用フローを設計できるよう、機能改善にも努めています。お客様からのご要望に応え追加したテンプレート機能では、さまざまなお客様の事例を統合して作成した採用フローをテンプレートとして利用できるようになっています。またステップに応じて、よく利用される処理を自動的に追加できるので、まず運用してみたいという方でも簡単に始められるように改善しました。他にも最善の手法を迅速にインストールできるよう、機能改善に取り組んでいます。

採用業務は作業と判断の連続です。システムが単に作業を代替するだけでは、採用成果に対してクリエイティブな効果を生むような自動化にはなりません。以前提供していたATSではここに課題意識を感じていました。一方、sonar ATSでは採用のワークフローとして、作業だけでなく、判断も自動化できます。

例えば、特定の技術分野の専門性が高い学生を採用するとき、その学生の専門性を正しく評価できる面接官とのマッチングが重要です。そのために、学生の専攻や関心のある分野、大学での履修履歴など、さまざまな蓄積データを加味して選考官との最適なマッチングを自動的に行うことが可能です。初期の面談でも、学生の特性を把握したより深いレベルで対話ができるので、工数削減にもつながります。

また、ある企業では特定の職種コースや募集部門でのみ次の選考に進む歩留まりが悪いというケースがありました。そこで候補者へのヒアリングなどを通じて、ターゲットに限定した深い情報提供が必要だと仮説をたてました。まさに応募してほしい特徴を持つ学生だけに対象を絞った特別な動画で部門の魅力を深く伝わるようにしたり、不安払拭の機会として座談会へオファーする文面を送るようにしたり、といった新たなフローを導入したのです。「あなたのためのメッセージ」と認識してもらえるフローを組んだことで、歩留まりが改善し採用目標を達成しました。

フローの流れに乗って、検索オプションで対象に合致した人に、仮説として試したいアクションを実行する。こうした処理が自動的に行えるので、たくさん組み込むことにより細かな歩留まりの改善が実現できるのです。

採用フローが可視化され属人化を解消

ーどうしてこれほどまでに自動化に注力されているのでしょうか。

廣瀬それは、自動化により採用業務を可視化でき、属人化せず次の担当者へと引き継ぐことができるからです。多くのシステムでは柔軟性が乏しいため、イレギュラーな対応や無駄なパターンの設定、手動での対応が求められるなど、システムを利用しているにもかかわらず運用が複雑化してしまいます。システムを細かく設定して自動化できたとしても、採用フロー自体がブラックボックスになっては、熟知した担当者に属人化しかねません。

属人化を防ぐうえで、柔軟な自動化とともに大切にしているのが、可視化です。sonar ATSでは採用フローを自動化すると、自分が組み上げたプロセスを可視化して表現できます。わざわざ別にフローを図式化しなくても設定画面を見せるだけで、そのまま採用フローの説明が可能なほどわかりやすいのです。それだけ説明がしやすいため、引き継ぎも簡単で、属人化を防ぐことができます。

またレポーティングも簡潔に行なえます。レポーティングでは迅速な判断とアクションが求められます。採用フローが誰にでも分かりやすいよう可視化できていることで、進捗分析画面を見せながらどこでなにが起きているのか、簡単に報告できるので、それだけスピーディーな対応が可能です。

仙頭採用担当者が数年ごとに交代しているある企業では、前任が作り上げたシステムをsonar ATSによって1つの意思として、次の担当者がそのまま享受できるようになりました。後任の担当者は、定型化した業務の上に、さらに新しい課題解決を積み重ねられるので、より高品質な採用手法へとブラッシュアップが可能です。

しかも新たな挑戦をしても、業務は自動化されているので工数も増えず、さらなる挑戦への余白さえ生まれます。このように採用業務の自動化によって、それはある種の資産として集積しながら、よりよい採用業務へとブラッシュアップしながら引き継がれていくのです。

はじめの段階では、非合理な業務が必ずありますので、そこをまず無くすところから取り組むように提案しています。そうすると徐々にやりたかった課題に対応できるようになりますし、その思いは明確な意志としてsonar ATSに反映され、よりその会社にフィットしたものへと改善されながら、次の世代へと引き継がれていくはずです。sonar ATSの解約率はありがたいことにとても低いのですが、それはお客様の採用プロセスに柔軟にフィットし、それが積み上がっているからだと思います。

お問い合わせ

採用管理システム
sonar ATSに関する
ご相談はこちら

お悩みごと、不安なこと、お気軽にお問い合わせください。
専門スタッフがさらに詳しくサービス内容についてご説明します。

導入事例やATSのメリット丸わかり!採用におけるお役立ち資料を
無料でプレゼント!