sonar ATSは採用インフラ

━━━ その責任を果たす“安定性”への絶え間ない追求

sonar ATSにとって最も重要な性能の1つに安定性があります。執行役員で開発責任者の佐藤は、その重要性について「さまざまな企業の採用プロセス全体を預かることから、採用インフラとしての責任がある」と語ります。テックリードであり最古参の技術者である廣瀬は、社内で安定性を追求する業務を担当し、常にその最前線で闘ってきました。なぜそれほどまでに安定性にこだわるのか。今回は、sonar ATSの黎明期から携わる佐藤と廣瀬の2人が安定性へのこだわり、その果てのない追求について語ります。

重要な局面でかかる高負荷。アクセス集中による不安定さが機会損失に

ー最古参の優秀な技術者である廣瀬さんが、安定性の課題解決にアサインされている背景について教えてください。

佐藤廣瀬はテックリードとして、安定性だけではなくsonar ATS全体の技術課題に対応しています。そのなかで最も闘ってきたのが安定性への追求だと思います。採用は企業が初めて応募者と出会う重要イベント。そこでシステムが不安定で作動しない、あるいは遅延するようでは、採用業務に支障をきたします。

システムが不安定な場合、応募者とのスムーズな連絡ができなくなるほか、重要なイベントの遅延や応募者の情報が引き出せないなど、さまざまな事態を引き起こします。これにより、企業イメージの低下や歩留まりの悪化、内定承諾率の低下など、悪影響が多岐に及びかねません。そのため最も信頼を置くテックリードである廣瀬が、安定性への課題解決を担当しているのです。

廣瀬新卒採用においては、短期間に多くの応募者が企業に応募します。例えば、選考解禁日の3月1日や最終選考などが集中する6月初旬には、システムへのアクセスが集中します。アクセスの集中はそれだけシステムに負荷を与え、システムが不安定になる可能性が高まるのです。こうしたアクセス集中の頻発にも耐えられるシステムを提供できなければ、お客様の機会損失に繋がってしまいます。そのためsonar ATSにとって、安定性の追求は重要な課題なのです。

地道に積み上げ続ける安定性向上への独自の取り組み

ー安定性を確保するために、どのように取り組んでいるのでしょうか。

廣瀬安定性の確保には、地道な取り組みが必要です。例えば高負荷のなか安定性を確保するとします。こうした場合、技術的に処理能力を拡大するアーキテクチャを採用し、予測した負荷を上回る処理能力を準備して、余裕を確保します。それと同時に、突発的な負荷上昇に対し、臨機応変に処理能力を増強する必要があるのです。

これらの実現には、負荷上昇の検出やボトルネック発見のために、モニタリングの仕組みの拡充が求められます。加えて発見したボトルネックに対して改修を行い、モニタリングから得た知見をもとに予測精度を上げる、といった取り組みが必要です。

また、新卒採用の最重要イベントが頻発する3月や6月には、サーバーを分散して収容するクラウドサービスの地域を増やす多重構造を採用し、アクセス集中によるシステムへの高負荷を避けるようにしています。さらに、万が一システムが故障した時を想定して、復旧の手順を確認する、いわゆる「避難訓練」も定期的に行っています。

このように障害が発生しないように未然に防ぐ施策や、最悪の事態が発生したときでも被害を最小限に抑える対策に、私たちは独自に取り組んでいるのです。これらの取り組みはすべて、安定したシステムを提供したいという思いにつながっています。

「インフラ」である以上安定性の担保が欠かせない

ーなぜsonar ATSでは、そこまで安定性にこだわるのでしょうか?

佐藤それはsonar ATSを「採用インフラ」として運用しているからです。私たちは、sonar ATSを通じて、企業様から重要な採用活動の一端をお預かりしています。インフラである以上、システムを安定的に供給すべきですし、そのための投資を怠らないように努めているのです。

廣瀬これまでsonar ATSを運用してきた十数年間には、私たちの運用上のミスによるものから、利用しているクラウド基盤の大規模障害によるものまで、大小さまざまなインシデントがありました。

例えば2016年には、sonar ATSで利用するクラウド基盤であるMicrosoft社の「Azure」でデータベースのバージョンアップにあたって不具合が生じ、システムからデータにアクセスできない事案が発生しました。このとき不幸なことに、新卒採用の重要面接や内定通知を出すタイミングと重なったことで、ある企業様で役員面談に支障をきたす事態に陥ったのです。

このような事案は、私たちの運用ミスではないため、サービス水準合意(SLA)でも対応範囲外になっています。しかしお客様の機会損失であることには変わりありません。そこで即時対応策を検討し、同様の事態が発生してもサービス継続できる対応策をご提案しました。その甲斐もあって、そのお客様にはいまでもsonar ATSをご愛顧いただいています。

このような不測の事態が発生するたびに、お客様にご迷惑をおかけしたことを重く受け止め、同じことを繰り返さない対策や、万が一発生した時の対処法を、その都度真剣に考え積み重ねてきました。仮に対応範囲外の事案でも、それを乗り越え改善することで「採用インフラを提供したい」という責任感や技術者魂ともいうべき想いがあります。

規模と柔軟性、安定性。それらの成立には高い技術力が求められる

ー安定性への投資は、今後どう進めていきますか?

佐藤安定性への投資はこれからも積極的に続けていく予定です。おかげさまで私たちのサービスは右肩上がりの成長を遂げてきました。それだけ経験や知見も同じように蓄積されています。とくに経営統合してからのこの2年間には、日本を代表する企業様にも多くご利用いただけるようになりました。いまでは指数関数的な成長につながっています。

それだけにお客様からの期待値も上がっていることを肌で感じますし、採用インフラとしての責任感も増しています。その期待に応えられるシステムにするためにも、情報のキャッチアップや安定性への投資を怠らず、背伸びしてでも安定性への視座を上げていく必要があると思うのです。

また多くのお客様がご利用いただくにつれて、これまで私たちが想定してこなかった新たな利用方法が次々と生み出されています。この多様な使い方を実現できる柔軟性は、sonarATSならではの特徴です。利用法が多様化する中でも安定したシステムを提供するために、独自のモニタリング機能の実装も進めています。

顧客満足には、本質的な満足と表層的な満足の2種類があると思います。多彩なシステムが乱立する現代では、お客様から選ばれるシステムであるために、本質的な満足を確実に実現しつつ、表層的な満足で差をつける必要があります。そうしたなか、安定性は本質的な満足につながる部分で競争源泉です。そのためこれからも真摯に向き合っていきたいと思います。

廣瀬sonar ATSは規模も拡大し続けているだけでなく、さまざまな機能を追加し、多様な活用ができる柔軟性を実現しています。一方で、規模が拡大し柔軟さが求められるほど、システムは多様化・複雑化するため、安定性の確保が難しくなるのです。こうしたなかでも、お客様に安心して継続的にご利用いただけるよう、安定性向上への取り組みを一つひとつ積み上げていかなければなりません。

また技術的な側面からもビジネスの拡大という側面からも、安定性と成長は表裏一体です。システムとして次のステージに上がるためにも、高い安定性の実現は必要なプロセスといえます。技術的な側面で言えば、例えばGAFAの技術はやはり飛び抜けています。

それは彼らがグローバルに展開する巨大なサービスを運用するため、そこに必要な技術やノウハウが蓄積されることが背景にあります。

規模を拡大し、柔軟性を高め、安定性を高める。この3つを同時に成立させることは難しい。しかしその実現はまさしく技術者の責任であり、技術的にも面白い仕事です。そこに絶えず挑戦することで、満足できる品質のものを提供し続けていきたいと思います。

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