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価格戦略とは?知っておきたい7つの考え方とプライシング(価格設定)の方法

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価格戦略はマーケティングにおける4P戦略の大事な1要素。商品やサービスを通して市場シェアを獲得したり、十分な利益を得たりするには、価格戦略を慎重かつ丁寧に練ることが大切です。

そこで今回は、価格戦略の概要や考え方について解説します。あわせて、価格戦略を策定した後のプライシング(価格設定)方法もご紹介しているので、ぜひご参考にしてください。

利益・経営を左右する要素!価格戦略とは

価格戦略とは、プライシング(価格設定)を軸とするマーケティング戦略のことです。マーケティングミックスでよく使われるフレームワーク「4P」のうちのひとつ(Price)であり、具体的には「競合他社の動向を見つつ消費者にとって適正で利益のある価格を設定すること」を指します。

商品を購入したりサービスを利用したりする上で、多くの消費者が気にしているのは「価格」です。実際に、消費者庁が発表した「平成30年版消費者白書」を見ると、商品やサービスを選ぶときに消費者が意識する項目の第一位は「価格」だとわかります。「常に意識する」「よく意識する」と回答した消費者の割合を合わせると、91.1%もの消費者が価格を重視していることになります。

この結果は言い換えれば、予算の都合上妥協して低価格な商品を選ぶ消費者は大勢いるということです。しかし、それを理由に商品やサービスの価格を低く設定すると採算が取れません。さらには「安い=低品質」といった誤解を生み、ブランドの価値を下げてしまう可能性もあります。そのため、新商品・新サービスを開発および販売する上で、価格戦略の策定は欠かせないのです。

このほか、ブランド力や競合他社との競争力を落とさずに価格の維持を図ることも、価格戦略に該当します。価格は利益に関わるのはもちろん、企業経営にも直接的につながる重要な要素です。そのため、価格戦略は重要な戦略であるとともに、マーケティングの方向性を決める上で必須といえます。

参照:平成30年版消費者白書|消費者庁

自社に合った手法を選ぼう!価格戦略の7つの考え方

価格戦略と一言でいっても、その考え方はさまざまです。自社の目的やポジションを考慮して以下の7つから選びましょう。

1.スキミングプライシング戦略

スキミングプライシング戦略とは、市場導入期に商品やサービスの市場価格(初期価格)を高く設定すること。短期間で高収益力を確保することを目的とした価格戦略です。

スキミング(skimming)は「上澄みをすくい取る」などの意味を持つ英単語。そのため、この戦略の主なターゲットは対象市場の上澄みとなる「高価格でも購入してくれる顧客(富裕層)」です。市場導入期から収益を多く得られるため、研究費や広告費を早い段階で回収できます。

2.ペネトレーションプライシング戦略

ペネトレーションプライシング戦略とは、市場導入期に商品やサービスの市場価格(初期価格)を低く設定すること。早期のうちに市場シェアを獲得することを目的とした価格戦略です。

ペネトレーション(penetration)は「浸透」「普及」などの意味を持つ英単語。そのため、市場導入期から一気に商品・サービスを市場へ普及させるための戦略といえます。初期のうちに大きな利益を得るのは困難ですが、多くの数を販売できれば長めのスパンでの利益獲得を図れます。

3.コストリーダーシップ戦略

コストリーダーシップ戦略とは、競合他社よりも低い価格帯で商品やサービスを提供すること。低コスト・低価格の一貫によって、競争における優位の確立および利益の獲得を目指す価格戦略です。
なお、コストリーダーシップ戦略はペネトレーションプライシング戦略と類似していますが、後者は市場シェア獲得後の価格見直しも視野に入れる必要があるという意味では、一貫した低コスト・低価格で優位性を保つ前者とは目的が異なるため別物といえます。

上述のとおり、多くの消費者は商品やサービスを選ぶときに「価格」を意識しています。そのため、コストリーダーシップ戦略を策定すれば、利益拡大・集客アップにつながるでしょう。

4.高価格戦略

高価格戦略とはその名のとおり、商品やサービスの質を高めて、その質に見合うよう市場価格を高く設定すること。利益の獲得のほか、企業のブランディングを目的とした価格戦略です。

高価格戦略を成功させるには、「この商品・サービスは価格に見合う価値がある」と消費者に評価される必要があります。そのため、高い品質をキープし続けるのはもちろん、商品価値の理解につながるプロモーション・PRに取り組むことが大切です。

5.ダイナミックプライシング戦略

ダイナミックプライシング戦略とは、需要と供給の変動・バランスに合わせて市場価格を調整すること。原価や開発費用ではなく、市場導入期やシーズンの消費者ニーズに応じた価格戦略です。

ダイナミックプライシング戦略の代表例には、お盆やお正月などの帰省ラッシュに、航空券の料金およびホテルの宿泊料が高騰することが挙げられます。需要が高くなったタイミングで商品やサービスの価格を上げることにより、利益を最大化することができるのです。

6.キャプティブプライシング戦略

キャプティブプライシング戦略とは、商品やサービスの市場価格は低く、付属品の市場価格は高く設定すること。消費者の確保のほか、長期的・安定的に利益を得ることを目的とした価格戦略です。

キャプティブ(Captive)は「捕虜」「とりこ」などの意味を持つ英単語。そのため、商品やサービスの価格を低く設定し消費者をスムーズに確保することに重きを置いた戦略といえます。そして、価格を高めに設定した付属品を定期・継続的に購入してもらうことで利益を獲得するのです。
ただし、付属品の価格をあまりにも高くすると継続して購入してもらえなくなる可能性があるので、その点には注意しなければなりません。

7.ラグジュアリー価格戦略

ラグジュアリー価格戦略とは、ステータスとなる商品・サービスの市場価格を高く設定すること。主に、宝石や高級時計、高級車などを扱うハイブランドがよく取り入れている価格戦略です。
高価格戦略よりもさらに高い価格をつけるのが特徴で、これにより威光効果(商品やサービスの評価が、その企業・ブランド全体の評価によい影響を及ぼすこと)が期待できます。

戦略をもとにプライシング(価格設定)!その方法とは

では、価格戦略をもとにプライシング(価格設定)する際は、どのように行えばよいのでしょうか。以下で、代表的な方法を3つご紹介します。

コストプラス型価格設定法

コストプラス型価格設定法は、商品やサービスのコストに利益を上乗せして価格を設定する方法です。「消費者が商品やサービスを購入すれば、確実に利益を得られる」というメリットがある反面、「消費者が納得する価格になるとは限らない」というデメリットもあります。このデメリットを回避するには、市場や競合他社の価格を確認し消費者に寄り添ってプライシングすることが大切です。

需要志向型価格設定法

需要志向型価格設定法とは、消費者の価格に対する意見をもとに適正価格を見極める方法です。メリットには「価格設定が高すぎて商品が売れない、というリスクを最小限に抑えられる」という点が挙げられます。ただし、その一方で「消費者の意見によって価格が左右するため、利益が減る場合がある」というデメリットもあります。これを回避するには、上限価格と下限価格を明確にして商品価格を絞り込むことが重要です。

競争志向型価格設定法

競争志向型価格設定法は、競合他社の価格と同等もしくはそれよりも低い価格にする方法です。「価格の低さを切り札とし消費者へアピールできる」というメリットがある一方で、「利益が圧迫される可能性がある」というデメリットもあります。ただし、このデメリットはキャプティブプライシング戦略を取り入れることで回避できるため、あわせて覚えておきましょう。

まとめ

利益を得るため、そしてマーケティングの方向性を決めるためには、価格戦略を策定することが欠かせません。新商品・新サービスを開発および販売する際は、今回ご紹介した「価格戦略の7つの考え方」と「プライシングの方法」を参考に、慎重に市場価格を設定しましょう。

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この記事の著者
sonar ATS編集部
sonar ATS編集部

1,900社以上にご導入された採用管理システム sonar ATSを展開。このお役立ち記事では、採用セミナーレポートやお役立ちコンテンツをはじめ、企業の採用担当者の皆さまに採用に役立つ有益な情報をお届けしています。

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