新卒採用変革の時代に攻める業務デザイン構築法【後編】

通年採用の開始とオンライン生活様式に伴う採用活動の適応ー。戦略変更は昨今の最重要テーマであり、それを実現する採用業務もリデザインが求められています。

2021年1月、環境変化に対応するために必要な「戦略的採用スキームの構築」についてリンクアンドモチベーション社・井原氏と、Thinkings社・森田による、オンライン対談セミナーを開催しました。

後半では参加者の皆さまからの質疑応答をご紹介します。

登壇者紹介

井原 摩耶 氏
株式会社リンクアンドモチベーション
人事採用コンサルティング部門 マネジャー

2009年リンクアンドモチベーション新卒入社。入社11年間、一貫して採用領域に従事。採用実務、コンサル・コンテンツ制作・営業部門の経験を経て2017年マネジャーに就任。その後も金融・ディベロッパー・商社など最大手企業のプロジェクトマネジャーとして複数ポートフォリオ採用や超優秀層採用など多数支援。現在はマーケティング部門を立ち上げ、企業向けのセミナーを行うと共に営業部門を兼務。

 

森田 徹
Thinkings株式会社 取締役

2006年に北海道大学経済学部を卒業。在学中はアカウンティングを専攻。2006年に人材コンサルティング会社へ入社。大手企業からベンチャー企業まで数多くの新卒・中途採用の成功スキーム構築の実績を残す。 営業リーダー、アライアンス、サービス開発担当を務め、新規事業としてSONARの開発に初期から携わる。2013年、イグナイトアイ株式会社の創業メンバーとして参画し、執行役員に就任。サービス企画を管掌。

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Q&A

Q:市場変化の大きい今年度採用に苦戦中です。採用進捗をモニタリングする上でポイントはなんでしょうか?

森田:
全体の流れを捉えることは当たり前ですが、大事なことは中身を分解していくことです。例えば募集のチャネルという観点で、採用のボリュームゾーンとなっている媒体からどれだけ集客ができているか、そういったチャネルで見ていくことも大事です。エントリーシートや適性検査などで評価ができるような仕組みを取り入れている会社さんであれば、会社として欲しい人材が各チャネルからどれだけ来ているかどうかをモニタリングしていくことが非常に大事だなと思っています。も大事ですし、井原さんがおっしゃる通りも大事です。

今(20211月現在)、22卒の本選考や内定の段階までいっていない会社さんが多いと思いますが、「歩留まりが想定より良いかビハインドしているか」などを見ていくと、このまま進むとどれぐらいの結果になるのかシミュレーションも立てやすいと思います。

井原さんがご支援されている会社さんで、こういうところをよく見ている、などありますか?

井原:
そうですね、重ねてになりますけど、やはりです。頭数が多いのは当たり前として、見ているのは中身です。「母集団が何名居ます」「昨年と同じぐらいいます」などではなく、有効な母集団が何名なのかを見るようにしています。

イベントで12回会っている学生さんの中で、本当に自社のことを志望している学生が何人いるか、これが測れる企業さんと測れない企業さんがいらっしゃる。測れない場合はアンケートをかませてそこを越えるというステップをおかないと、無効な母集団になってしまいます。母集団の量ではなく、その中でのファンの出現率や、選考期に入っているお客様だと追いたい学生が母集団の中で何割ぐらいいるか。採用人数から逆算したときに達成しうる母集団がいるかというの診断をしつつ、そういったが低い企業さんはやり方がそもそも間違っているので、来年の母集団形成からやり方をすべて変える提案をするという感じですかね。やり方をそもそも変えなければいけない企業が最近多いなとは思います。

森田:
今日の井原さんのShared Mediaのお話にもありましたが、学生が見ている情報・信頼感を得る情報も変わってきており、実際にアクションする仕方も変わってきています。今年は去年と比較しても変わることが多いと思うので、それを踏まえて次どうしていくのかは重要ですね。

井原さんも大手企業さんのご支援が多いと思います。大手企業さんがやられるようなことが、その次のマーケットのスタンダードや、基準の一つになっていくことはあると思いますが、井原さんがお話を聞き支援されている中で、各社さんが考えていることや、よく聞くテーマはありますか?

井原氏:
ほとんどの企業さんが次年度の企画を始められているので、23卒のコース設計のあり方のような話が多いと思います。今年はエントリー数が集まった感覚があり、無駄にインターンをたくさんやることに辟易としているイメージがあります。「買い手市場化もしているので、たくさん母集団のチャネルを広げてインターンでたくさんの学生さんに会って1年間引っ張っていくことが非効率ではないか」とおっしゃっていますね。最初に学生を絞り込むような選考直結型のコースのようなマス型ではない採用プロセスはどうあるべきか、そのためのブランディングの仕方の方法はなにかなど、(学生やチャネルに対し)選択と集中をしていますね。

森田:
サマーインターンシップの申し込みの数が相当増えたと思いますので、絞るのがかなり大変だろうなと思いました。企業側としても最初の段階で応募が多く来る場合、ハードルを高くし、参加してもらうターゲットを絞るなど、選択と集中が必要になってきますね。

井原:
やはりBtoBの企業さんですと、どうしても名前を広めるフェーズは必要だと思いますが、ある程度認知のある企業さんは「もう1dayインターンはいらないかな」というマーケットになるのではないかと思います。

Q:オンライン化により知名度が低い会社はなかなか募集が集まりにくくなるかなと思いますけど、そういった中で何か良いアプローチはありますか

井原氏:
学内説明会やイベントがオンラインになるというよりは、冒頭の話のメディアチャネルの洗い替えの話だと思います。学生が見ているものが変わってきて、「ナビに投資をしておけばいい」「学内説明会にでておけばいい」という動きではなくなってきていると思います。採用担当としては苦しい時期で、知恵の使いどころだろうな、と思っています。

私もこの相談を受けるので、いろいろな会社さんのサービスを勉強するようになりました。勉強をしないと今年しんどいと思います。小さいところを含めると今サービスが乱立しています。採用ベンダーは3年に1回は洗い替えになりますが、今年はガラッと洗い替えの年だったと感じております。学生が見るメディアは変わる、という点で見たとき、「どんなものがあるのか」「その中でバズっているのはどれなのか」「自社に相性がいいものがどれなのか」は投資をしてみないとわからないと思います。私もよく、「〇〇さんはここがいいとおっしゃっていましたよ」ということをお伝えするのですが、御社にとってどの媒体さんがいい、どのベンダーさんがいいというのは、やってみないとわからないというのが正直あります。当たりをつけて投資をして、費用対効果の悪かったものをやめる、以上でも以下でもないかなと思います。

森田:
学内説明会やイベントがあったときは、そういった中での偶然の出会いも重要な一つのチャネルだったと思いますが、なくなってきているというのも現状としてあると思います。

OfferBox』のi-plugさんがおっしゃっていた話だと、ダイレクトリクルーティングも使い方が変わってきているようです。ダイレクトリクルーティングが出始めのころは、全体で50人採用の会社さんの場合、その5人~10人といった一部分をダイレクトリクルーティングツールで取りに行く、というような使い方をされるケースが多かったそうです。ただ、現在は50人採用する会社でも2040人をダイレクトリクルーティングツールで取り切る会社さんが出てきていると。いわゆるマスメディア(総合型ナビサイト)のようなところだといろんな方々から応募が来ます。ダイレクトリクルーティングでは、「どのような業界を志望しているのか」「どういう属性の人なのか」を完全にペルソナ設計をして絞って、この方にはこういう訴求のメッセージを出すなど工夫をし、反応があったあとには説明会でこういう話をして選考をしていく。そんな流れを全部ダイレクトリクルーティング用に設計をしていくことによって、歩留まりもよく採用できると。を取りに行く、母集団を数集めに行くのではなく、決まった取りたい人を必要な数だけ接触をしていく、そういった採用の仕方も出てきています。

メディアは使ってみなければわからない、というのは本当にその通りでして、自社の欲しい人がどこにいるのかといったツールの会社さんに聞くべきだと思うので、情報を取りに行くと良いと思います。

Q:いろいろツールがある中で学生さんはどの程度の方が従来の媒体で情報集めているのでしょうか?学生側も媒体を駆使している人とそうでない人がいるような気がしています。

森田:
私もその感覚はありますね。二極化している感じもあります。

井原:
正解はないと思いますので仮説の話をさせていただきますね。私が就活したのは10年以上前ですけど、今でも当時と変わらない動きをしている学生さんもいます。知っている企業から媒体でたくさんエントリーをしている子ももちろんいますし、一方リテラシーが高い子もいます。

参考になるかわからないですが、サンプル的に50人ぐらいの学生さんにメディアに対するアンケートをとってみました。理系、その中でも情報系の学生さんはほとんど自分に合ったメディアを複数選択しながら活用していて、メガ媒体はほぼ使ってない傾向がありますね。

これが理系の全般なのかと言われるとそうでもなく、文系でもリテラシー高い子もいます。理系全般がそういう子というわけではなさそうだけど、少なくとも情報系はほぼ100%でした。この辺は 面白いなと思って見ています。

属性によってリテラシーの高い低いはあるので、取りたいターゲットによってはメガ媒体だけで通用がしないことは間違いないと思います。文系や理系全般の中でリテラシーが高い子はどういう子かというと、ある程度自分がやりたいことや目的が決まっていると、メガ媒体に依存しない動きがあると思います。「仕事でやりたいことが決まっている」「就活の進め方が決まっている」「(会社で実際に働く)人で自分は決めたい」など、何か軸が一つ決まっていると動きが変わると思います。そこがまだ分析できていない子達だと、みんながやっているものに流されて動きがワンテンポ遅くなるので、企業側も採用ターゲット次第でどこまでそこ(リテラシーの高い層の動き)に適応しなければいけないか変わると思いますね。

森田:
情報の収集で言うと、御社には『OpenWork』があるじゃないですか。22卒で無料化のプロモーションがあったと思いますが( https://www.vorkers.com/recruiting/newgraduate )、実際企業・学生さんの動きが変わった、増えたなど、何か変化がありましたか?

井原:
無料化自体は企業向けのプロモーションなのですが、学生視点からすると『OpenWork』はあまりプロモーションツールにはなってない気がしています。要は志望度の上昇ツールとして様々なメディアさんがいると思いますが、『OpenWork』のような口コミサイトは下降要因なんです。学生は一応登録していて、人事と話をして「この会社いいな」とときめいた後に、一度審議を確認して「企業が言っていたこと、嘘じゃん!」と思う流れです。これをマネジメントできるようにならないと、本当の意味でのブランディングができないと思います。拡散やプロモーションツールとしてのメディアとマネジメントツールとしての『OpenWork』や『みん就』、今後人事はその両方を管理しなければいけないので、より採用の仕事は増えると思っています。

Q:会社の欲しい人材と会社の外からの見られ方と、実際に自社が今まで取ってきた人材にギャップがある場合、何から手をつけるべきでしょうか

井原氏:
大きなお話としては、採用した人材を配置してみたら定着しなかった、活躍しなかった、いうことをどう防止するかいうことですかね。そうすると、採用の目標設定を変えた方がいい、という話をしますね。採用の目標は、どういう人材が何人採用できたかという、量と質の観点でもって設定されていると思います。しかし戦略人事の文脈では、採用を定着・活躍から逆算的にやろうという企業さんが多く、そういった企業さんは入社後のエンゲージメントを目標値に入れていく、ということがよく言われます。入社後活躍している人、例えば定着し5年以上いてかつパフォーマンス出している人は、どういう保有した能力や志向性があり、かつエンゲージメントの面では何で会社が繋がっているのか、ということを考えて採用に逆流させていますね。

大抵、志望している理由と入社してからのギャップ(=リアリティショック)によって、辞めてしまったり、パフォーマンスが出なかったりします。いい人材をちゃんと取ることはもちろん大事ですが、そのリアリティショックを起こさないような採用時の握り方・現場への渡し方をしなければいけない。そこを逆算的に目標設定するところから着地して、どうバトンタッチしていくのかとか、そういう順番だと思います。

森田:
または、今まで取ってきた人と違う人材が欲しいという観点であれば、欲しい人材をちゃんと受けられる部門や、マネジメントができる方が採用に携わることが大事だと思っています。持論になりますが、入社したときにギャップがあると、素養がある人も発揮できる場がない。結果、「採用したけど、なんかこの人違うな」となってしまって、また別の人を採用しなければいけないというスパイラルに入ってしまうかと。そういった違う人材、新しい人材を採用していこうというときには、しっかりと受け入れの部署の方を採用に巻き込んで、その人が主体でやるぐらいの形でチームに巻き込んでいくと、採用活動自体もレベルが高くなると思います。また、ギャップも少なくて済むと思います。

森田:
では今日のまとめです。採用をリデザインして、新しい方程式を作っていく時代になっているのではないか、というふうに私自身も今日のセミナー全体を見て思いました。

井原氏:
今年できることはとにかく柔軟性をもって、今立てている戦略ありきだと思わずに柔軟にやっていく点が一番のポイントだと思います。来年は特ににこだわってコース設計を見直した方がいい年かな、と私は思いますので、早めに準備に着手することをおすすめします。

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この記事の著者
SONARイベント・セミナー事務局
SONARイベント・セミナー事務局

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