22卒動向から読み解く、採用の未来と23卒採用戦略【後編】

急速にオンライン化が進んだ新卒採用。2020年の新卒採用はまさしく激動の1年となりました。変化が続くこれから、採用担当者はもはや「前年踏襲」を続けるのではなく、採用戦略そのものを考え、組み換えの必要があります。

2021年114日に、就活生の3人に1人が使う新卒オファー型就活サイト『OfferBoxを運営する株式会社i-plugと、800社以上に採用管理システム『SONAR ATSを提供するイグナイトアイ株式会社(現・Thinkings株式会社)が共催しました。本セミナーでの内容を、レポートにしてお届けします。

後編では両社のパネルディスカッションと質疑応答をご紹介します。

登壇者紹介

直木 英訓 氏 
株式会社i-plug 
取締役 COO 

1981年石川県生まれ。2004年立命館大学政策科学部卒業。2016年グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻修了(MBA)。新卒で株式会社インテリジェンス(現パーソルグループ)に入社。アルバイト・パート事業で営業と企画のマネジメントを務めた後、新卒紹介事業の責任者に就任。2014i-plugの取締役に就任し、東京オフィスの立上げに従事。現在は営業、マーケティングを統括。

 

森田 徹 
Thinkings株式会社
取締役 

2006年に北海道大学経済学部を卒業。在中はアカウンティングを専攻。2006年に人材コンサルティング会社へ入社。大手企業からベンチャー企業まで数多くの新卒・中途採用の成功スキーム構築の実績を残す。 営業リーダー、アライアンス、サービス開発担当を務め、新規事業としてSONARの開発に初期から携わる。2013年、イグナイトアイ株式会社の創業メンバーとして参画し、執行役員に就任。サービス企画を管掌。 

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 トークテーマ

「22卒企業の採用活動のトレンド」 
「22卒これからやった方がよいこと」
「23卒以降に向けて考えておくべきこと」 

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22卒企業の採用活動のトレンド

森田: 
まず一つ目ですね、「22卒企業の採用活動のトレンド」です。企業さんの動きの中で、直木氏さんが注目されていらっしゃる傾向などはございますか。 

直木氏: 
そうですね多くの企業の皆様が感じていらっしゃると思いますが、ここまでサマーインターン、それから一部秋・冬のインターン終わっている状況のなか、エントリー数は増えていますよね。 

 昨年比較で1.52倍が当たり前で、場合によっては57倍ほどエントリーが増えています。一方で、求人倍率を見てみると12%減少しています。一方で、最新のリクルートさんが出しているデータですと新卒求人倍率は1.53倍。就職氷河期と言われていた2000年で0.99倍、リーマンショック直後で1.231.27倍という水準。そこに対して1.5倍ですと、実はそんなに買い手市場ではない、と言えます。でも企業の皆さんの実感としては エントリーが増えているので、22卒の特徴は順調な気がしています。ではなぜ、求人の数が12%しか減っていないのに、応募が35倍になっているかというと、学生さんの活動量が単純に増えているだけと考えています。

 なぜ活動量が増えているかというと、大きく二つ。一つがコロナによる先行きの不透明さによる不安が活動量を増やしていると思います。もう一つがオンライン化により、参加の障壁が下がっている。この二つにより活動量が単純に 増えたと思います。それに対して、企業の皆さんの求人の数が12%しか減っていないので、求人の減少よりも学生さんの活動量の増加の方が多く求人倍率にしたときに35倍になる。そんな構図が起こっている、と見ています。 

森田: 
そうですよね、私は新卒で入って2年目ぐらいでリーマンショックがありました。そのときはすぐに中途採用が止まりました。新卒採用も当時は10月にナビサイトがオープンして、そのあと12月ぐらいに採用活動を中止。説明会の案内を出した途端に中止など、そういった経験を社会人2~3年目ぐらいでしました。

そのときに比べると、やっぱり今のコロナ禍で冷え切っているということは感じないな、と思います。2013年卒の資料だと、学生のエントリーが80社、そこから3分の120社から30社ぐらいの会社説明会に行き、そこから1社内定を取る。そういったころに比べると、今は学生さんの行動量が増えたといっても、それほど増えているというわけではないですね。

学生の皆さんも、順調のように見えるけど本当にこのまま最後まで行くのかな、という気持ちがあるようです。というのも、リアルで会えないので。(企業側も学生に対して)志望度ではないですけれど、そういったグリップがどこまでできているのか、と思いますね。さっき(前編)の学生さんのデータで「志望度にオンラインオフライン変わりがない」とありましたが、あれも今の段階での志望度かな、と見ていて思いました。これから(入社先を)決めるというフェーズに変わったときにどうなるか、と思います。 

直木氏: 
そうです。企業の皆さんと話をしていると、応募は増えているもののこのまま終わらないだろうな、と思ってらっしゃるようですね。何かしら警戒はされていらっしゃる、そんな印象を受けますね。  

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22卒これからやった方がよいこと 

森田: 
では、「22卒これからやった方がよいこと」では、どんなことがありますか? 

 直木氏: 
緊急事態宣言下において     学生の皆さんは不安感を募らせていますのでエントリー数の増加トレンドはまだ続くと思います。ナビサイトでは     21卒と比べて応募数の観点ではやはり増えるのではないかと推測しています。減る理由があるとしたなら、21卒に比べて22卒の方がよりインターン期間における活動が増えた結果、ある程度その業界における自分が進みたい方向感が定まり、定めた方向感に沿ってエントリーをしていく、そんなトレンドになれば、(この先のエントリー数は)そんなに増えることはないと思います。 

実際に、近年の選考が早期化するトレンドの中でも、ナビサイトの開始時(3月)にエントリーの勢いが沈んだタイミングがありました。  選考が早期化するので自分の方向感がある程度早い段階で定まり、早いタイミングから様々な企業に会っています。そのため、この時期からの新たな就職活動は減少しやすいといえます。同じように、22卒が21卒に比べてどれぐらい早期化したかによって、3月以降のエントリーの数が増えるのか、変わらないのか、が見えてくるというのはあります。このトレンドがしばらく続くのであれば、比較的 集まるのではないかと思っています。

ただし、どれだけ応募が増えても学生さんは結局行く会社は1社です。大きく広く集めるというよりも、採用したい層をあらかじめ定義し、集客方法や自社とのマッチングの見極める方法についての設計が22年卒に必要になってくると思います。 

 森田: 
そうですね、応募数が増えていると、安心できることはあると思いますが、一方でこのタイミングで本当やられたほうがいいと思うことは、自社のメッセージをしっかりと出すことなのかなと思っています。何もないと、学生さんも「機会があればアクションしよう」という形で選考に進むと思いますが、その中で入れる会社は1社です。学生さんがセルフスクリーニングをできるような情報を正しく与えて、途中で(選考を)抜けることなどを恐れずにメッセージを出していき、コミュニケーションをされていく。そうするとコミュニケーションをとりやすくクロージングもしやすくなると思います。 

23卒以降に向け考えておくべきこと

森田: 
最後のテーマですが「23卒以降に向け考えておくべきこと」ですが、こちらはいかがでしょうか? 

直木氏: 
そうですね、23卒は不確実性がかなり高いと思います。22卒よりさらに読みにくいな、と思います。オリンピックやコロナのワクチンなどといった外部環境の変化が予想されます。
のような状況においては、新しいことにチャレンジポートフォリオ組み替えることが重要だと考えいます。新しい取り組みに対してのPDCAを回しておくこと、それも一つではなくて、二つ、小さいものでもいいのですが、仕込んでおくことがすごく大事だと思います。振り返りによって自社のノウハウが蓄積されます。そのノウハウがあれば外部環境が変化したときでも対応がしやすくなるはずです。      

森田: 
そうですね、チャレンジをしていく、ということはすごく大事なことだと思います。こういうタイミングで変化を早めに捉え、何が正解かどうかわからないけれども、そこに対していかに素早く対応するかということ。チャレンジをすれば、正解にしろ不正解にしろリアクションがあるので。(世の中の動きを)待っていると、どうしても他が先に行ってしまったり、世の中の変化に対応できなかったり、というケースがあるのを1年前コロナになったとき感じましたね。 

あともう一つ思うのは、やはり待っていても相手(学生)は動かない、ということですね。なかなか偶然の出会いというのが、この環境の中だと生まれにくいな、と感じています。

(そんな状況で特に重要なのは)自社のコンテンツですね。私もお客様とお話をしていてお聞きするのは、「学内説明会で理系の採用をしようとしていて回っていても、そもそも学校の学内説明会に来ない」と。もう企業側がオンラインで様々なインターンシップやイベントを開催しているので、結果として学生はわざわざ現地に行かなくてもオンラインで行けるというインフラができあがっています。そういった情報があるのでわざわざ学校の説明会に行かずにもうインターンシップに行っています。ですので、自社のコンテンツをいかに磨いていくか、さまざまなパターンやターゲットに合うものを開催していけるようにして、そこに社員の方を巻き込めるように仕込んでおくなど、そういった次に向けて自社の何かを使える策を考えておきたいですね。 

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Q&A 

Q:21~23卒の学生の性格特性や行動特性に何か変化ありそうですか。

直木氏: 
明確にデータを取れておらず、すみません。定量的な話ではないのですが、20卒ぐらいから     将来的に転職を視野にいれながら就活される学生さんが増えていると感じます。キャリアーセンターさんへの相談で、昔は「どんな会社に行けばいいですか」「どういうふうに面接受けたらいいですか」という内容が多かったと思います。それに比較して最近のケースでいいますと、例えば「内定を3社持っている人」がいた場合、この3社の中から「どの会社に就職すれば3年後自分の市場価値が上がり、自分が高く売れますか」という相談が増えているようです。  

森田: 
今卒業されている年次の方々は、高校時代にキャリア教育というものを受けています。文部科学省のホームページでは学習指導要領の箇所に「キャリア教育」というものがあり、明示されています。高校生のころから将来のことを考える機会があるので、会社に入ったらずっと在籍するという感覚があまりないというトレンドはあると思います。 

 21卒くらいから増えてきたのが、他業界とのバッティングです。昔は同業のバッティングがおおかったのですが、最近は業界が違うようです。では、どんな軸で探しているのかというと「自分が成長できるかどうか」「こういったキャリアに対して合っているところを探していたら最終的にこうなりました」という回答が多いですね。企業の採用担当の皆さんからすると、採用活動の方法を変えていかないと、という声が増えたのがそれぐらいからだと思います。この大きな流れはおそらく今後も増えてくるのではないかと思っています。 

 直木氏: 
そうですね、そういう傾向は確かに進みました。企業側の話としてジョブ型採用の流れもありますけれど、一方で学生の方も配属活動ということも言われ数年が経ちます。何ができるのか、その会社で何が経験できて、自分のために何が得られるのか、(ということを学生が企業に問うという)その点は私も自社の面接をしていて確かに思います。また、最初の会社というのはあくまで最初の選択であり、次のキャリアを視野に入れているケースもあると感じています。 

Q:職業体験以外のインターンシップの内容を教えてください

直木氏: 
グループワークが一番多いです。テーマは業界研究および、職種疑似体験による企画提案など、そういったコンテンツが多いように思います。

森田: 
やはり現場に配属することが難しいので、ワークショップ型になってきますよね。

Q:(前編のアンケートデータについて)データ分析をした学生や企業の特徴を教えてください。

直木氏: 
そうですね、これ(前編のアンケートデータ)は『OfferBox』の     登録企業さんに対するアンケートになります。企業規模という観点でいくと5000名以上の企業の皆さんの登録は『OfferBox』では少ないので、5000名未満かつ一般的な新卒採用やってらっしゃる企業さんの分布と大きくは変わらないと思います。5000名未満の企業さんと考えていただければと思います。 

 Q:夏季インターンシップを実施しその後に優秀層限定でミートアップを実施しました。そこから選考に繋げるのはどのようにすればよいでしょうか。

直木氏: 
選考を繋げる観点で考えると、学生の皆さんはインターンからの特別選考を期待している人が8割なので、もう基本的に選考を受ける気満々だと思います。 

 そういう意味で、学生さんにとって満足度の高いコンテンツであることは大事です。インターンシップのコンテンツが、その学生さんにとってどうだったか。(満足度のために)ミートアップを一新してもいいと思いますし、コンテンツの質もさることながら「参加者(の質)がどうだったか」というのも大事だと思います。参加者が「すごい」と思えるような方々が周りにいると、その会社自体の評価も上がるので、こういった取り組みは意味があると思います。「コンテンツと参加者がよかった」という施策を続ければ、選考に繋げていきやすいと思います。 

森田: 
優秀層がキーワードで、そこの方をいかに採用できるかというのが重要だと思います。おそらく選考には進んでくれるので、どう採用できるかですね。多分そんなにたくさん人数はいらっしゃらないとは思うので、そういったところを何かアレンジメントしていきたいですね。優秀層の方の特徴としては、「なぜ自分が認められているのか」「なぜ合格をもらえているのか」の根拠になる、何かを乗り越えた体験を大事にすると思います。何かにチャレンジできる体験や、実際にいろんなチャレンジをされている方との(接触を)アレンジメントして興味を持ってもらうなど、そういったブリッジがあるといいと思います。 

直木氏: 
前提として昔は、学生さんにとってみるとインターンシップは自分自身の就職活動が本格化する前に方向性を定める場という認識が強かったと思いますが、今はもはや     選考の場として捉えているケース     はあるかもしれないですよね。それでいて、先ほどのアンケートの結果を見ると、実際参加するのは5社ぐらい。多分スケジュール的な問題もあると思いますが、実際その5社から決めていらっしゃる学生さんもいらっしゃいますよね。 

お客様と「インターンシップで何割ぐらい取れました」というお話すると、だいたいこの年々比率が上がっており、最近だと     2~3割は当たり前になってきています。3割取れたときには、少なくとも3割以上の学生さんがインターンシップ経由で決めているということです。 

Q:大手企業の内定出しの時期の予測を教えてください。

直木氏: 
普通に3月から内定を出している企業さんは増えています。一番出るのはやはりゴールデンウィーク明けですね。このトレンドはそんな変わらないと思います。 

森田: 
そうでしょうね、今内定を出すタイミングというのは…… 

直木氏: 
そうですね、みなさん(早期内定に)センシティブになってはいないと思います。 

森田: 
皆さんすぐ決めるというわけでもなければ、内定を出すのが早ければいいというわけでもなく。ちゃんと選考が進んでちゃんとグリップできていれば、ちゃんと待ってくれるというか、学生の方もしっかりと選びたいという気持ちがあるのであまり離脱することもないと思います。早くしすぎることはないですが、業界で競合されている会社さんなどの動きは注視しておくべきだと思います。先程までの話を踏まえると、全体としてはちょっと早まりそうということですね。

Q:会社の雰囲気など伝えるためにオンラインでもできることやっておいた方がいいことがあったら教えてください。

直木氏: 
会社の雰囲気はなかなかわからないですよね。先ほどのお話で「職場体験や工場見学がオフラインで多い」とあったと思いますが、工夫してオンラインでやってらっしゃる企業さんもいらっしゃいます。 

森田:
工場見学などは現場が動いているので、現場にご協力いただき、中継的に繋いでやってらっしゃる企業さんはいらっしゃいますよね。 

まとめ

森田:
ありがとうございます。時間も少なくなってきましたので、直木さんからクロージングをお願いします。 

直木氏: 
22卒・23卒の採用のアプローチに関しては、リアル×規模型で1ヶ所に人をたくさん集めるということは実質不可能になりました。人材採用のポートフォリオという観点もありましたが、見極めや口説き、ターゲットも様々になっていますし、全体(をひとくくり)としてフローを大きく進めていくという難しくなってきていると思います。 

 個別最適化が必要になってきている。それから社会の不確実性は高まる中で求められる戦略やコストの見直しもあります。そしてリモート下でもできる採用手法というようなものを求められていると思います。そのあたりは『OfferBox』でうまく解決できると思います。

お気軽にご相談いただければ、事例もお伝えできると思いますので、ご興味ある方はぜひお声がけください。どうもありがとうございました。 

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この記事の著者
SONARイベント・セミナー事務局
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