優秀理系学生に志望される企業になるためのイロハ【前編】

理系学生を採用したい企業様の多くが、理系採用ならではのお悩みをお持ちのことでしょう。しかし、データベース化された情報を持っている専門家はなかなか多くありません。

2020年1217日に、旧帝大・地方大学の理系学生の4人に1人が登録する理系採用サービス「LabBaseを運用する株式会社POLと、理系企業様を含め多数の企業様に支持される採用管理システム「SONAR ATSを販売するイグナイトアイ株式会社(現・Thinkings株式会社)の共催で、セミナーを開催いたしました。本セミナーでの内容を、レポートにしてお届けします。

本レポート前編では、202011月にPOL社が実施した理系学生へのアンケート調査をもとに、理系学生の就活の現状や今後の就活への考え、それに対し企業様はどのように動くべきか、理系採用の今を読み解きます。

登壇者紹介


山永 航太 氏
株式会社POL プロフェッショナルサービス部責任者
新卒でITメガベンチャーに入社。グローバル人事部(現グループ人事部)新卒採用グループに配属。アシスタントマネージャーとして、東京大阪の2チーム計10名のマネジメントを担当。採用ターゲット選定、インターンシップ企画運営、内定面談、入社式企画運営、まで幅広く採用業務を行う。海外インターンの企画運営にて部内アワードも受賞。現在はLabBaseで、主に大手企業様向けに採用コンサルタントとして従事。

理系学生1000人のアンケートから見る22卒採用戦略のこれから

株式会社POLについて

山永氏:

まずは会社のご紹介をいたします。弊社、株式会社POL2016年創業、まだ5期目のベンチャー企業として発展の途上といえます。今は理系の学生さんの就職支援サービスである、『LabBase』を中心に展開しております。

LabBase』は科学イノベーション人材の採用支援を行っている、理系の院生に対するスカウトサービスです。それ以外にも『LabBase Now』というオンラインイベント、『LabBase+』という中途を対象としたサービスをつくっております。『LabBase』は今では理系院生の4人に1人が登録していただいているスカウトサービスとなっており、推薦やOBの紹介で採用していたような採用市場には出にくかった学生が中心に登録しております。

弊社がもつデータベースを公開し、企業様がスカウトをしやすいような環境を整えています。累計の登録していただいた学生さんの数は3万人以上。機械・電気・情報系・・・と幅広い大学から選考の内訳をもっています。

こういった学生さんを集めるため、初期には学生インターン組織を全国につくり、一つ一つ訪問をしながらユーザーを伸ばしていきました。今回後ほどご紹介する1000名以上のアンケートデータもこういった研究室訪問から拡充していったという背景があります。

わたしたちはAI人材の採用に特化した調査も行っています。こういったものを、採用のDX化、事例の紹介とあわせてお話したいと思っております。

01:コロナ禍での21卒採用振り返り

山永氏:

皆様、このコロナ禍においていろいろな変化があったと思います。講演タイトルにも「劇的に変化した21卒採用」と掲げていますが、変化の一つ目は学内説明会ができなくなってしまったことです。そこに頼っていた企業様も沢山いらっしゃるのではないかと思います。

そしてもう一つがオンラインへの移行ですね。これも後程データとしてお見せしますが、学生がオンラインに慣れてきている傾向にあります。

さらに学生の動き出しも早期化しています。前述のアンケートでかなり早期化していることが見えてきていますので、データを交えてお伝えしていきたいと思います。

各地の大学で学内説明会を中止

学内説明会に重きを置いている地方学生への採用が軒並み打撃を受けています。一方で地方学生にとってはオンライン開催で対応ができるようになったので、うれしい環境になっています。学生さんと企業様側でみると一長一短があると思いますし、学内説明会のつながりというところも今後ウォッチをしないといけません。

就活のオンライン化が加速

「一度も会わずに内定を得た会社があるか」という質問を467名の院卒の学生さんにしたところ、約35%の学生さんがオンライン面接で完結をして内定をもらっていました。オンライン化というものが当たり前になってきましたね。また、『LabBase』のご利用企業様にアンケート調査をしたところ、多数の企業様(スライド右図青い部分)がオンラインへと移行しています。学生さんも企業様もオンライン化が加速しています。

学生の動き出しがさらに加速

学生さん側は例年6月の動き出しが最多でしたが、22卒の学生さんにアンケートをとると5月時点で約60%の学生さんが就活を始めていました。21卒から22卒で動き出しの変化がみられています。

以上、(採用を取り巻く)体制がどんどん変わってきているということがここまでの振り返りです。

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02:22卒理系学生就活動向

山永氏:
ここから本セミナーのメインタイトルにも掲げています、“1000名以上の定量データ”をご紹介します。正確にいうと1104名の定量データをもとにお伝えしたいと思います。

調査対象

 2020年118日~15日の1週間に『LabBase』のユーザーへアンケートを配信し、1104名の専攻不問の大学院生の回答をいただいています。どこかに偏りがあるというものではなく、化学、情報、機械、生物・農学、電気電子、と幅広く様々な学生さんから回答をいただくことができました。

♯1 22卒就活全体の動き

Q1:本選考へのエントリー状況

山永氏:

まず前提条件として学生さんの希望職種を紹介します。『LabBase』は比較的、研究職を希望する学生さんが多いチャネルです。その結果がアンケートにしっかりとでています。

70%以上の学生さんが研究職、製品開発、技術・設計、といった分野の職種を希望しています。次いでデータサイエンティストも10%弱の分布がみられます。データサイエンティストのほか、コンサルタントも伸びてきています。ちなみに研究職の中にはAIの研究など情報系の研究職も含まれております。全体として研究職、製品開発、技術・設計といったところの人気が強いなと思っております。

Q2:本選考へのエントリー状況

11月頭時点のエントリー状況を見ていきますと、0社の学生さんが一番多いという結果です。ただ一方で、すでに4割の学生さんがエントリーをされています。中には10社~14社、79社、複数の企業様にエントリーしている方も4%(40名~50名ほど)います。なかなかの猛者だなあと思います(笑)

Q3:本選考での面接社数

面接社数を見ていきますと、20%の学生さんが本選考まで進んでいます。かつ本選考もオンラインで行われているようです。オンライン面接を受けている社数面接社数という数字があり、オンラインネイティブな学生さんと認識することができます。

Q4:最終面接を受けた社数

すでに10%弱の学生さんが最終面接まで進んでいるという数字が出ています。

Q5:就活を始めた時期

先ほどもお伝えしましたが、就活を始めた時期は5月・6月までの学生さんが非常に多くなっています。

Q6:就活の中でオンラインで良いと思うもの

学生さんは、インターンシップ・面接に関してはオンラインがよい、と希望しています。これから冬のインターンシップを企画されている企業様もいらっしゃると思いますが、大きな理由がない限りインターンシップはオンラインがよいと学生さんは期待しています。

Q7:就活で不安に思うこと

トップは「面接が苦手」でした。学生さんは面接する経験も少なくなっていると思いますし、オフラインでの緊張感を体験していないということもあると思います。

次に、やはり理系の院生らしい答えですが「学業と就職活動の両立」が2位となっています。数にすると504名と、約半数の学生さんが不安に思っているようです。実際に就職活動をしている学生さんとお話をする機会があったのですが、「研究に没頭するために就活を早期に終わらせたい」という方もいらっしゃいますし、両立させていくために「今このタイミングは研究に集中、このタイミングは就活」と切り分けをして活動されている方もいらっしゃいます。

8:研究テーマと就職後の職種・分野との関連性

「研究テーマを是非活かしたい」「できるだけ活かしたい」という学生さんはあわせて約45%になります。学生さんは自分の研究成果が活かせない就職先を選ばないかというと、「NO」ということがわかります。ただ「どちらでもよい」を含めると研究に関わっている分野の方が人気は高いといえます。

♯2:専攻別 就活の動き

就活を始めた時期(専攻別)

山永氏:

傾向値としてみてみましょう。全専攻において修士1年の学生が6月に就活を始めている傾向が、今回のアンケートではみられます。ただ、4月・5月に始めている学生さんも非常に多く、就活はすでに始まっている状況です。ただ一方で、薬学、医学の学生さんは「まだはじめていない」の項目が頭一つ抜けています。

業界を絞った時期

修士1年の11月の時点では業界を絞れていない学生が多く見られます。薬学や医学専攻の学生さんは学部生の時から将来の仕事を決めている印象があります。他の専攻を見ると、ほとんどの学生さんがまだ業界を絞り切れていないと言えます。

コロナ前後における研究室で過ごす時間の変化

いくつかキーワードをもってご説明をしたいと思います。

学生さんには「かなり変化があった」から「変化がない」まで選択していただきました。赤色にしている箇所が特徴的な部分です。学生の就職希望が多かった機・電・情をみていきますと、機械系・電気系は「かなり変化があった」、もしくは「変化があった」、と回答している方々が比較的多い印象です。やはり彼らは実験の機器を使うということから、機器がないと研究ができないようです。「かなり変化があった」と答えていたのが情報系で、これは逆にポジティブな変化があったと見られます。情報系の学生さんはリモートでの研究ができるようになったためです。一方で化学、医学、農学、生物、こちらのほうは「あまり変化がなかった」を選択しています。実験室から薬品を外に持ち出せない、といった理由からオンライン化は難しいように見えます。

推薦利用意向

推薦の有無を悩まれている企業様も多いのではないかと思います。こちらを見ていただきますと左側の青色が「利用した」、もしくは「利用したい」と考えている層で、赤色が「利用するか迷っている」、オレンジ色が「利用しない」、緑色が「推薦がない」、という学生さんです。見ていくと、「推薦を利用しない」という層の割合にあまり差はないかと思います。

推薦利用に前向きな層を見ると、機械と電気・電子系の分野は比較的就職しやすい専攻で、推薦をつかう傾向もあります。逆に情報系の学生さんを見ていきますと、そんなにたくさんの学生さんが推薦を利用したいと思っていない、悩まれている学生さんが多い印象です。また、生物・医学・農学専攻の方は、そもそも推薦がないということもわかります。

研究テーマと就職後の職種・分野との関連性

先ほどは大きな括りで「自身の専攻と就職先にどれほど関連性をもっていたいのか」をご紹介しましたが、今回は各専攻で見ていきます。

各専攻で研究テーマを「是非活かしたい」という学生さんは少しずつ減ってきています。数字としてわかるところを見ていきますと、機械・電気の学生さんは約50%が「どちらでもよい」と答えています。一方、薬学・医学系は就職と研究内容が直結しています。分野ごとに見ていくと、少しずつの違いはあるものの機械・電気に関しては「どちらでもよい」が多く、化学や物理数学もそれに次ぎ「どちらでもよい」が多くなっています。ご自身の研究が直結しないかもしれない、と思っている学生さんが中にはいるのかな、と思っています。

生物や農学は「できるだけ活かしたい」が多い点もポイントです。なかなか活かせないとはわかっていつつも、それをどのように活かしていくか悩んでいるところがありますので、そこを拾えるような企業様は拾っていただきたいですし、逆に「理系の院生で地頭のいい、だけど機・電・情など人気ではないところで採用したい」と考えるのであれば、化学、物理、建築・土木、を狙っていくのもありなのかな、と思っています。

就活やインターンで嬉しいと思うもの

やはり「研究者・技術者の話が聞ける」、「気軽に相談できる」、こういった個別アプローチが人気として挙がってきています。

つまり優秀人材にアプローチをするならマッチングというものが肝です。先ほどお見せした専攻別、職種別、こういったところで採用を進めることが必要になってくるかと思います。先ほど「自分の専攻を活かしたい」という方はそんなに多くはありませんでしたが、実際にどのように決めていくか軸を聞いたアンケートが別にあります。

これを聞くと「スキルや選考が活かせるか」「年収」「勤務地」という順番で結果がでてきています。理系採用のスタンダードは総合職採用から専攻別や職種別に変わっていきていると言えるでしょう。

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03:22卒採用戦略のこれから

山永氏:

こちらは経団連が2020年夏に出しているニュースです。「インターンシップを採用に直結させることもやぶさかではない」ということをだしています。ここにもある通り、まずは院生から試行していく、とあります。

経団連としては、「インターンとしての在り方をしっかりと検討していきたい、そして高学年には就職採用を意識したインターンシップをつくりたい」ということです。もっと深掘りをしていきますと「Society5.0を想定する場合、大学院以上の専門性が望ましい、そういった彼らはジョブ型雇用にも親和性が高い」という指標が出されています。

3年後には専門職人材の就職活動にはジョブ型採用が主流となる流れが見えてくるだろうと思っております。

もう少し未来予想的に書いてみます。今はジョブ型のインターンの解禁がされてきて、一部ジョブ型の雇用になっています。もっと先々にそういったものが一般化していく、もしくはセキュリティエンジニア、AIエンジニアが増え、平均給与というものも新卒が高くなっていくことも想定されています。

こうしたメンバーシップ雇用からジョブ型雇用の移行期がまさに今と考えています。マス型採用から分散型や自社完結型、もしくは現場からプッシュをしていくようなプル型の採用から、潜在層に対して直接アプローチをかけていくプッシュ型、そういった採用手法というものをより重視をしてく。そのとき弊社の『LabBase』というサービスは非常に使い勝手がいいのではないかと思っています。

先ほどお伝えをしていた「ターゲットを狙っていく」というところでは、解像度がまだまだ高まっていない企業様を多くお見受けするケースがあります。このターゲット解像度を明確にしていくところからご一緒に進めさせていただきます。顕在化していった採用のターゲット層に対し、ピンポイントにスカウトができるようにターゲティングを行い、ファン採用、企業様のファンになっていく、そういったコミュニケーション設計というものも弊社側で行うことが可能です。

解像度を高めるために、例えば研究領域、AIをつかったカンファレンス、技術、こういったことも弊社はデータベース上で絞り込むことができます。また、より具体的に情報系の中でどんな層を狙っていきたいのか、今はこの層を狙っているけれど、この層を狙ってはいけないのか、企業様の学生さんが何を求めて入ってくるのか、こういったことを弊社のノウハウとあわせて一緒にお伝えします。

そして、年間の設計、採用戦略の設計もサポートいたします。学生さんも早期に動き出していることもありますので、いかに継続性をもってナーチャリングをしていくのかも一緒に行うことができます。

各プロセスの認知を向上させる、もしくは母集団を形成、採用プロセスを設計、そのオーバーオール・トータルプランとして戦略的に施策というものを実行することなど、弊社が得意としている領域でございます。

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この記事の著者
SONARイベント・セミナー事務局
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