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インターンシップとは?研修プログラム内容の決め方!主な種類・期間とともに徹底解説

インターンシップは学生のキャリア育成になるほか、企業への理解度・志望度の向上にもつながります。そのため、「インターンシップで自社の魅力を伝えたい」という企業は少なくありません。

そこで今回は、インターンシップの概要・種類をはじめ、プログラム内容の決め方や有名企業の事例をご紹介します。充実したインターンシップにするためにも、ぜひご参考にしてください。

企業理解を深めてもらおう!「インターンシップ」とは

インターンシップとは、実習や研修・プログラムを通して学生が就業体験を行う制度のことです。
学生はインターンシップに参加することで、企業理解を深めたり、やりたいことを見つけたりすることができます。企業にとっては、インターンシップを実施することで、自社に対する学生の志望度を高めやすくなるほか、採用のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。

実施するインターンシップの種類やプログラムの内容は、企業によって異なります。また、インターンシップの実施期間もさまざまなので、前もって自社に合ったものを選択することが大切です。

学生のインターンシップに対する意識

就活会議株式会社とHR総研が2022年卒の学生を対象に行った調査によると、全体の9割以上の学生がインターンシップに参加したことがわかります。そのうち、もっとも多かったのは4〜6社のインターンシップに参加している学生であり、30%を占めています。
2021年卒の学生を対象に行った調査と比較すると、4社以上・10社以上のインターンシップに参加した学生の数が増えていることから、参加社数は増加傾向にあることが読み取れます。

インターンシップの参加目的は、文系・理系ともに「志望企業の選考を有利に進めるため」が最多。文系は「志望企業との相性を見極めるため」、理系は「志望企業についての情報収集」と続きます。
理系では「自身に向いている仕事・業界を見極めるため」が6%であり、文系よりも18%低くなっています。その理由には、「理系の学生のほうが“自らの専門分野を活かすこと”にこだわっており、志望する仕事・業界をすでに決めている場合が多い」という点が関係していると考えられます。

参照:HR総研×就活会議:2022年卒学生のインターンシップと就職活動への意識調査結果報告|HRpro

企業がインターンシップに取り組むべき理由

企業がインターンシップに取り組むべき理由には、まず「採用のミスマッチを防ぐため」が挙げられます。学生に就業体験を提供することで、社内の雰囲気や仕事の実態を学生に理解してもらえます。これにより採用のミスマッチを防ぐことができ、すぐに辞めてしまうケースを回避しやすくなるのです。また、インターンシップを通して経験値を高めた学生を即戦力として確保することもできます。

このほか、インターンシップは「若年層について深く知る機会を得るため」に取り組むべきともいえます。学生をはじめとする若年層との接点を持ち交流が深まれば、そこで得た情報を今後の事業に活かせる可能性があります。

自社に合った形式を選ぼう!インターンシップの主な種類

インターンシップと一言でいっても、その種類はさまざまです。以下で主な4つの種類をご紹介するので、自社に合った形式を選びましょう。

1.講義・セミナー型

講義・セミナー型は、社員による業界状況・業務内容などの説明がメインとなるプログラムで、比較的短時間で終わるものが少なくありません。会社説明会と同じような内容になるケースが多く、学生の企業理解を深めることが主な目的です。企業によっては、多くの学生に自社を宣伝することを目的とする場合もあります。

講義・セミナー型を実施する場合に企業がすべきことは、自社の情報や募集要項をまとめることです。何らかのコンテンツを用意する必要が少ない上に1日で完結するケースが多いため、事前準備・当日運営ともにかかる負担が小さく、比較的楽に実施できます。
ただし、インターンシップを通して学生の意欲や適性などを判断することは難しいため、そこは弱点といえるでしょう。

2.プロジェクト型

プロジェクト型は、ひとつのテーマを設定した就業体験を通じて、学生に企業理解を深めてもらうプログラムです。具体的には、グループワークやグループディスカッションなどを行います。
企業が与えるテーマや課題に対し学生が試行錯誤する仕組みになっているので、インターンシップを通して学生に総合的なビジネススキルを習得させることができます。また、講義・セミナー型と比べて学生一人ひとりの性格や考え方、適性を図りやすいのも特徴です。

ただし、講義・セミナー型よりも事前準備・当日運営にかかる負担が大きくなりやすいので、あらかじめ体制を整えておくことが欠かせません。

3.就業体験型

就業体験型は、企業の施設内を見学したり業務の軽作業を体験したりするプログラムです。実際の体験を通じて、企業説明会だけではわかりづらい企業の雰囲気や風土、仕事の流れなどを学生に知ってもらうことができます。これにより、採用のミスマッチを減らしやすくなるほか、学生の事前育成も実現しやすくなるでしょう。

ただし、就業体験型のインターンシップを実施するには、上述した2つの種類以上に徹底した準備が必要になります。そのため、フォロー体制をより充実させておくことが大切です。

4.課題突破型

課題突破型は、実際の業務に関連した課題の解決策について、グループディスカッションなどを行うプログラムです。課題には、たとえば「新商品の企画を立案する」「取引先の課題を解決する」などがあります。実際の業務に即しているため学生の事前育成がしやすく、ひいては学生を即戦力として確保しやすくなるでしょう。

ただし、就業体験型同様、実施するには徹底した事前準備が欠かせません。そのため、あらかじめ綿密なスケジュールを立てておくと同時に、フォロー体制を整えておくようにしましょう。

それぞれにメリットがある!インターンシップの主な期間

インターンシップの期間も企業によってさまざまです。短期・中期・長期、それぞれにメリットがあるため、あわせて押さえておきましょう。

短期:1日~数日

インターンシップの目的が「自社の認知度を高めること」であれば、短期で行うのがおすすめです。実施する上で大きな負担がかからずこまめに開催できるので、母集団形成をしやすくなるほか、自社の魅力を多くの方に認知してもらえるでしょう。
ただし、短期だからこそインターンシップで得られるメリットが少なくなる傾向にあるため、その点には注意が必要です。

中期:数週間

「学生の“企業や仕事に対する理解度・志望度”を高めること」を目的とするなら、インターンシップは中期で実施するのがおすすめです。グループワークや就業体験がメインとなり、実際の仕事に触れてもらうことができるため、企業や仕事に対する理解度・志望度の向上が期待できます。
ただし、準備や受け入れに必要な負担は短期よりも大きくなるため、フォロー体制を充実させておく必要があります。

長期:数か月

インターンシップの目的が「採用のミスマッチの削減」である場合は、長期で実施するのがおすすめです。1か月以上の間、企業の雰囲気や仕事内容を直接確認してもらうことができるため、ミスマッチが起きづらくなります。また企業としては、学生が持つ能力のほか、自社の社風や社員との相性も直にチェックできるため、自社に合った人材かどうかを判断しやすくなるでしょう。
ただし、長期だと実施するにあたって企業・学生ともに負担が大きくなる場合があります。そのため、事前準備を徹底して行うだけでなく、学生へのフォロー体制も整えることが大切です。

押さえておこう!インターンシップのプログラム内容の決め方

インターンシップを導入しようにもプログラム内容の決め方がわからず、悩んでいる採用担当者の方もいるのではないでしょうか。そこで、以下ではプログラム内容の決め方について解説します。

1.目的を設定する

インターンシップのプログラム内容を決める際は、まず目的を設定することが大切です。なぜインターンシップを行うのかを明確にしないと、方向性が定まりません。企業にとっても学生にとってもよい結果にはつながらないので、必ず目的を決めるようにしましょう。

インターンシップの目的は、多くの企業にとっては「採用につなげたい」「より多くの学生に自社を知ってもらいたい」というものでしょう。採用を目的とした場合は、事業計画に沿って「新卒全体で何人採用する。そのためにはインターンシップで何人の学生と出会って、そのうち何人に本選考に参加してほしい」といった目標も決めるようにしましょう。

自社の採用課題や学生のニーズに寄り添うと、目標がより具体化します。たとえば「接客業のイメージが強く、実際には高度なエンジニアも採用したいが理系学生に魅力が伝わっていない」という採用課題がある場合はどうでしょう。この場合、インターンシップの目標は参加人数ではなく、エンジニア志望の学生の本選考参加数増加などが適切です。

2.採用したい学生を明確にする

インターンシップの目的が決まったら、次は採用したい学生を明確にします。「コミュニケーション能力が高い人」「行動力がある人」といったターゲット像だけだと具体性がなく、採用担当者によっては企業が求めている人物像と異なる人物像をイメージしてしまう可能性があります。こうした事態を避けるためにも、採用したい学生像はなるべく詳細にイメージすることが大切です。たとえば、コミュニケーション能力の中でもお客様へのヒアリングを通じて課題の発見・言語化ができる人など、具体的な内容にするとよいでしょう。このほかにも学生の専門分野や、どのような企業を志望しているかなども、ターゲット像を決める切り口になります。

3.自社の魅力の伝え方を決める

インターンシップを通じて学生に「働きたい」と思ってもらうには、自社の魅力を伝えていかなければなりません。具体的に届けられるようにするためにも、以下のポイントを整理しておきましょう。

・会社の経営方針・理念
・仕事・業務内容のミッションや醍醐味(やりがい)
・自社の商品紹介と強み
・自社で働く社員の特徴・人間環境の豊かさ
・職場環境・アクセス面など
・福利厚生の充実度

人によってどのような点を魅力に感じるかは異なるため、複数の方面から魅力を伝えられるよう整理しておくことが大切です。

4.インターンシップの内容を決める

目的や求める学生像、自社の魅力の伝え方まで決まったら、次はインターンシップの内容を決めていきます。

プログラムに関しては、ターゲットとする学生のニーズをとらえた内容にすることがポイントです。万人受けを狙った当たり障りのない内容や、一方的に企業の伝えたいことを伝えるだけの内容にしてしまうと、採用したい学生に自社の魅力を十分に伝えられない可能性があります。採用したい学生が「何を知りたいか」「何に興味があるのか」、そして「採用したい学生の入社意欲を高めるにはどうすればよいか」などに重きを置き、ターゲットに寄り添って内容を決めるようにしましょう。

業務内容で考えるのもアリ!業種別のプログラム内容例

では、業種別だと具体的にどのような内容でインターンシップを行うのがよいのでしょうか?以下に代表的な業種におけるプログラムの内容例をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

業種プログラム内容
商社・先輩社員へのインタビュー
・先輩社員の同行
・営業職の仕事を体験
小売業・売り場の準備体験
・接客体験
・商品の試食
建設業・建設現場の見学
・図面のチェック
・建設現場で使用するドローンの操縦体験
飲食業・競合店の調査をもとに改善案をプレゼン
・店舗運用のワークショップ
介護・レクリエーションの企画と体験
・食事のサポート
・先輩社員に密着して業務内容を学ぶ

インターンシップで会社の説明をするだけでは、自社の魅力を伝えるには不十分です。

そのため、プログラム内容に実務体験を含める企業は少なくありません。オンラインで実施する場合でも、できるだけ実際の業務が体験できるようなワークができると理想的です。ひとりでも多くの学生に「参加してよかった」と思ってもらうためにも、学生の立場に立ったプログラムを組んでいくようにしましょう。

他社のインターンシップを参考にしよう!プログラム内容の事例とポイント

プログラム内容を決める際は、他社の事例を参考にするのもおすすめです。

アビームコンサルティング株式会社

アビームコンサルティング株式会社は、2022年8月に短期の1dayサマーインターンシップを実施します(※2022年5月時点)。
その内容は、主に「問題解決スキルを身につけられるケーススタディ」「第一線で活躍しているコンサルタントからのフィードバック」「現役コンサルタントとの座談会」の3つです。1日でコンサルタントとしての第一歩を踏み出せるような、充実したインターンシップになっています。

参照:SUMMER INTERNSHIP|ABeam Consulting

全日本空輸(ANA)

現在、全日本空輸(ANA)ではインターンシップを実施していません(※2022年5月時点)。ただし、2020年にはインターンシップを実施しており、たとえば同年の1〜2月には「エンジニアを希望している学生向けのインターンシップ」を行っています。ANAエンジニアの業務(整備業務や技術業務など)に関するコンテンツが用意されていた上に、実際の業務を体験できたようです。
この点から、全日本空輸(ANA)のインターンシップは就業体験型の好例といえるでしょう。

参照:グローバルスタッフ職(技術)|ANA

合同会社ユー・エス・ジェイ

合同会社ユー・エス・ジェイは2022年の7〜8月頃に、実際の社内教育プログラムを用いたインターンシップを実施します(※2022年5月時点)。具体的には、最先端のマーケティング技術、そして戦略的思考を学べる内容になっています。さらには、ユー・エス・ジェイのマーケティングノウハウも身につけられるそうです。このように、企業の風土を直に感じられる内容にすれば、インターンシップを通して採用のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。

参照:【大学3年/院生】USJ Marketing Challenge2022|UNIVERSA STUDIOS JAPAN

まとめ

インターンシップを実施する際は、あらかじめ種類や期間について理解しておくことが大切です。種類・期間が変われば、インターンシップを通してできること・得られるメリットも変わってくるため、まずは自社に合ったインターンシップの形式を見極めることから始めましょう。

その後、内容を考える際は「学生が求めていることは何か」を予測することが大切です。また企業においても、求める学生像が変わることもあるので、その時々に合ったプログラム内容でインターンシップを実施するようにしましょう。

初めてインターンシップを行う企業も、今回ご紹介した内容を参考に、学生にとって有益なプログラムを検討してみてください。

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この記事の著者

寛之大内